1984年から延々と20年ほど下げ続いた金価格は、
2004年頃になってようやく下落傾向に歯止めがかかってきた。
売り疲れの一方で、様子見の買いもちらちらと入り始めてきたのだ。
2004年から2006年にかけては、買いが徐々に増えてきたものの、
久しく上昇相場を経験していなかったが故に、
上値にはすぐ売り物が出てきて値を崩してしまう展開を続けた。
それでも、少しずつ下値を切り上げていく金価格に誘き出されるように、
新たな買いの手も広がっていき上昇スピードは加速していった。
そこからが面白かった。
あまりの長い下げ基調に嫌気をさした金鉱山が、
自己防衛のために先物で売っていたポジションを解消しようと買い戻しに転じたのだ。
上昇トレンドに入っていた金価格は、
金鉱山などの買戻しで勢いをつけて一気に上げ始めた。
その後は、皆さんも覚えているように金のETF取引が本格化し、
そのための現物買いが金価格の上昇をどんどん加速させていった。
そして、年金運用などがオルタナティブ投資の一環として金を組み入れ始め、
それがますます金価格上昇に拍車をかけた。
前編で書いたが、世界の機関投資家は30年ぶりに金の投資魅力を意識しだしたのだ。
さて、これだけ上がった金価格に対し、ここからどうするかだろう。
自分としては、ここから先の金価格は追いかけたくはない。
まだまだ上昇エネルギーは続くと思われるが、
もうずいぶんと上がったことだし後はのんびり見守っていくことにしよう。
願わくは、どこかで一時的にしろ金価格が大きく調整安して、
なお円が大幅高している瞬間が到来すること。
その時は思い切り買いにいきたいもの。
金はいつでも国際価格で、1オンス何ドルで取引される。
だから、世界的に金価格が大幅安していて円高であれば、
最高の金投資タイミングとなる。
もうひとつ大事なことは、
金を投資対象にして売買益を稼ごうとするよりは、
いざという時のラストリゾートとして、
金の地金を持っておく意識でいく方が良いと思う。
金はいつでもその時の価格で、その重さなりの値段で売れる。
500グラムか1キロぐらいの地金を少し手元に置いておくと、
絶対的な安心感につながる。
あのずっしりした重さと、鈍い光は金らしい価値をたっぷりと感じさせてくれる。