われわれ長期投資家が肝に銘じていることは、将来の納得に対し現在の不納得で行動するの一点である。 将来の納得とは、投資価値の高まりを将来に向けて読み込むことを指す。
少しずつでも投資価値が高まっていってくれたら、価格はそれを反映して上がっていく。 時間のずれはあっても、投資収益は後からついてくるはず。 したがって、将来に向けて投資価値の高まりを読み込んで早めに買っておくのが、投資の鉄則となる。
一方、現在の不納得で行動するとは、こんなところで買いに入っても損するだけだよ、気でも狂ったのかと市場で総スカンを食うことを指す。 現在の市場の総意は、買うなんてとんでもない、むしろ売っておきたい。 そういったタイミング(市場の不納得)で、長期投資家は買いに入るのだ。
こんなところで買うなんて理解できないとされる時は、売りが優先しており安値でいくらでも買い仕込みできる。 だから、われわれ長期投資家は暴落相場や長期低迷相場で、ゴキゲンの買いを入れるわけだ。
ところがだ、世間一般の投資では機関投資家を含めて、現在の納得を求めて行動しようとする。 投資にリスクは付きものといった意識に凝り固まっているからか、現在の安心感を求めた上でないと買いに入れない。
われわれ長期投資家からすれば、そういった投資家(?)の気が知れない。 現在の納得を求めるということは、多くの人が買いに入り価格はもう既に上がっているはず。 そんなところで買いにいったら、下手すると高値つかみをしかねないのだから。
さてさて、皆さんはどちらのタイプですかな? 日本の投資家はリスク過敏症のくせに、知りたがり屋が多い。 だから、ちょっとした悪材料に過剰反応してしまう。 後で落ち着いてみてみれば、そこが絶妙の買いタイミングだったというのが、よくあるケース。
まあ、現時点のような小康状態の相場環境で一度じっくりと、将来の納得に対して現在の不納得で行動するを考えてみようではないか。