福島第一原発の事故現場では、
多くの人々が放射能汚染と戦いながら日夜分かたず頑張っている。
作業員の方々は本当にご苦労様である。
原発問題が悪化したり長引けば、 東北から関東圏の放射能被害では済まなくなる。
大気汚染や海洋汚染といった形で、世界中に影響が及ぶ。
それもあって、米国やフランスそしてロシアなどは国防レベルの最先端技術までも、
日本への提供を申し出てくれている。
なかには、
日本がお家芸としているロボットに関しても米国やフランスから放射能対応型を提供されるとのこと。
本来なら、こういう時にこそ日本のロボット技術が、原発事故現場で大活躍していてもおかしくないところ。
現場作業員のかたがたを放射能汚染の危険からいくらでも守ることができる。
同時に、日本のロボットを如何なく世界にアピールできるはず。
ところが、日本には原子力安全神話というものがあって、
そのようなロボットなど開発の必要なしということで、お蔵入りとなっていたようだ。
原発事故など起こりようがないから、
そこで放射能対応型のロボットなどが活躍する可能性はないということらしい。
生命の危険にさらされるところほど、ロボットに頑張ってもらわなければならない。
原発事故現場はもちろん火災や水害などの最前線で大活躍してこそ、ロボットの価値は高まる。
また、その準備を怠りなくしておくことこそが国家戦略のはず。
その辺りが欠落しているのは、
なにがなんでも原子力シフトを進めようとする政治や利権といったものが絡んでいるからという見方も十分できる。
それでも、何のための技術なのか、
どういうときを想定しての技術開発なのかといった戦略的思考は、
国の運営や企業経営にとって絶対に欠かせない。
そのためのコストなど知れているのだから。
ひとたび問題が起こってからでは、対策コストが膨大となるだけではない。
今回でもそうだが、世界注視の下で米国やフランスのロボット技術をお披露目させてやるだけ。
日本のロボットは実験室でのお遊びレベルね、となってしまう。
技術者にとっては悔しい限りだろうが、国家戦略的にも大きな損失だという考え方が、
どうして出てこないのだろう。