今日から本格的な仕事開始だ。 年初の4日には暴落相場という強烈なパンチを見舞わされたが、さてさて今年はどうなるのだろう?
われわれ長期投資家は経済の見通しとか相場の予測といったものに、さして興味はない。
とはいえ、5年10年先までをまとめた大きな読みに関しては、ものすごく丁寧にやっている。
したがって、長い時間軸での読みの中で、さて2019年はどんな感じだろうといった、大まかな考え方はすぐ引っ張り出せる。
こんな風にだ。 2019年は世界経済もマーケットも大きく揺さぶられる年になろう。
米中の貿易摩擦で世界景気は後退する、つれて新興国や中国の経済成長が減速する、それが商品市況や株式市場に打撃を与える。
世界のマネーはリスク回避で、米国債や日本国債への買いが集中して、米国の長期金利は下げるは円高が進む展開となる。
あるいは、トランプ政権が米FRBの金利引き上げを牽制して、株価下落による景気後退を阻止しようとしている。
ここまでは、マスコミが散々書いているところ。 面白いのは、そういった表面的な現象を騒ぐだけで、もっと深いところをあまり考えていないことだ。
深いところ? いま騒がれている表面的な現象の先に控えているものは何だろう、そういう読みといってもいい。
トランプ政権にしても、世界景気の後退や株価下落を恐れる人達にしても、それらの多くが金あまりバブル景気や株高を謳歌してきた人たちだ。
史上空前の資金供給で、世界景気はカンフル注射が打たれた様な回復をしてきたし、株価や不動産価格はバブル高してきた。
それらは、しょせん金あまり景気であり、金あまり株高である。 本質的な経済成長や企業活動の上に、化粧を塗りたくった状態である。
その厚化粧が、もうこれ以上塗り足せませんといったところまで来た。 それが、昨年から折にふれて株価急落という黄色信号を発してきているわけだ。
一方、米FRBが進めてきた出口戦略は一刻も早くカンフル注射は止めて、経済の自立的な成長に焦点を絞り込もうとするもの。
このまま突っ走ると、将来すごいバブルそしてインフレを招いてしまうから、その芽を事前に摘んでしまおうという。
きわめて、まっとうな政策であるがマーケットは戦々恐々だし、トランプ大統領は意にそぐわない。
それで、パウエルFRB議長の罷免だとか、荒っぽいうわさが浮上してくる。
今日あたりは、議長の利上げストップ発言で、株価は大幅高している。 で、明日からはどうなるのだろう?
ここまで書いてきて、はっきりしているのは大多数の金あまりバブル派と、金融や金利の正常化を急ぐべきとする少数派のせめぎ合いだ。
どちらが、より経済合理性をもっているのか、そこのところが問われ続ける年となるのだろう。
もちろん、われわれ長期投資家はどっちへ転がっても構わない。 経済活動のまともな部分のみに焦点を当てて、大きく売られたら買っておこうを、淡々と続けるだけだから。