われわれ長期投資家からすれば、最近の急ピッチの上昇相場はゴキゲンそのものである。
数年前から安値をずっと買い仕込んできたから、それこそ毎日のように含み益が膨れ上がっていく。 ウハウハもいいところ。
ところが多くの投資家にとっては、悩ましい展開が続いているはず。 ああだこうだ言いながらも、ほとんど買っていない。
快調に飛ばしていく上昇相場に直面して、どこで買おうかと迷っているうちに、株価はどんどん上がっていく。
あまりに調子よく上がっていくので、慌てて飛び乗ったら高値をつかみそうで、これまた買いを躊躇することに。
機関投資家はもっと切実な状況に追い込まれている。 それほど買ってきていないから、平均株価の上昇に対し運用しているポートフォリオは出遅れもいいところ。
投資家顧客からは成績の伸びが鈍いとせっつかれる。 かといって、こんな上昇相場を慌てて飛び乗っていいものか、ここは待つべきかの判断に苦しむ。
悩んで悩んで、最後に踏ん切りをつけて飛び乗ったところが天井だった。 そういうケースが実に多い。
それは当たり前のこと。 皆がみな出遅れに我慢できなくなって飛びつき買いするのは、ほとんど同時期となる。
多くの投資家がドドッと買えば、上昇相場は吹っ飛ぶ。 その後は、もう誰も買わない。 買いが続かなくなれば、相場は下げに転じる、つまり天井を打つことになる。
いつの上昇相場でも、こういった図式が繰り返される。 それで、世の多くの投資家は投資は難しいと嘆くことになる。
その点、われわれ長期投資家のように、相場が低迷している段階から、さっさと買っておけばいいのだが、彼らにはそれができない。
上昇相場の展開がはっきりしてくるにつれて、今度はどこで買おうかの踏ん切りがつかなくて、これまた買えない。
そのうち現在のような、「買っていないツケ」がまわってきて、どうしようかの思い悩む状況に追い込まれてしまう。 なんとも気の毒なことよ。
そういった、世の出遅れ投資家たちに、今日はひとつアドバイスしよう。 ここはさっぱりと、買いを見送る腹を固めるのだ。
そして、なにかの加減で大きく下げる時を待つ。 ドカーンと下げたら、思い切って買いに入る。
とにもかくにも安く買っておくという、成功する投資で不可欠な「リズムの起点」をつくるのだ。
この先は、明日に。