日本中あちこちで、厳しい生活を強いられる人たちが増えている。 仕事がないとか、給料が低いとか、いろいろな背景がある。
その根本原因は、日本経済のジリ貧と富の偏在化にあろう。 日本経済については、統計の取り方によっては成長しているという見解もあるが、どうみてもジリ貧をたどっているというのが生活実感だろう。
富の偏在化については、既得権益層などはお金の価値が高いデフレ現象を満喫している。 その横で、多くの人たちがデフレによる収入減に苦しんいる。
既得権益層は、よく指摘される利権がらみの政・官・民の癒着だけではない。 高齢者層も高度成長時代の恩恵を引き続き受けていて、それが大きな社会負担となっている。
これらを打破するといっても、政治に大きな期待はもてそうにない。 バブルが弾けて間もなく26年が終わる。 その間、巨額の景気浮揚予算を立て続けに投入してきた。 だが、日本経済は成長どころかしぼんでいく一途。
一方、富の偏在化を是正するのは並大抵の力技ではかないそうにない。 民主政治の日本では、高齢者層を含めて既得権益を手放したくない人達の票が決定的な力を持っている。
どうしたら良いのか? 民間でやっていくしかない。 先ずは日本経済のジリ貧に対してだが、国が何もしなくとも個人個人がお金をつかえば、すぐさま2%はおろか4%5%の成長はできてしまう。
たとえば、預貯金の1%を寄付にまわすとしようか。 833兆円の1%で、8兆3300億円だ。 そのお金が生活に苦しんでいる人たちにまわれば、即座に食費や衣服などの消費に向けられる。
8兆円強の消費が上乗せされれば、もうそれだけで日本経済は1.7%の成長となる。 預貯金の3%が寄付にまわれば、5.1%の成長だ。
どうせ預貯金に置いておいたところで、ゼロ同然の利子でしかない。 だったら、預貯金の2%でも3%でも寄付にまわして成長率を高める方が、よほど賢明と思わないか?
4%とか5%の成長を遂げれば、仕事は増えるし給料やボーナスだって上がる。 国民全体の所得増加につながっていくわけで万々歳だろう。
もちろん、その過程で富の偏在化は是正されていく。 なにしろ、われわれ一般生活者が寄付などにお金をまわすのだ。 もうその時点で、富の再分配が行われているのだから。
そう、国民が預貯金に寝かせたままにしてあるお金を、どんどん経済の現場にまわすことだ。 たしかに、お金をどんどんつかうと、財産が減っていく不安を感じよう。
しかし、それでしか日本経済の活性化はないし、将来の所得増加も期待できないのだ。 ここは、国民がどれだけ大局的に考え行動できるかにかかっている。
そこで一案だが、「見えるところに」だったお金もつかい易いはず。 オペラなど芸術を楽しんだり、こんなに頑張っている人たちに寄付するんだという、「お金をつかう先の見える化」が一つのステップとなる。
さわかみオペラ財団や、お金をまわそう基金という財団を設立したのも、「見える化」をしようということ。 「そういうことなら、ちょっとお金を出してもいい」といった流れをつくっていくためにだ。
皆さんもどうぞ、さわかみオペラ財団やお金をまわそう基金のHPを覗いてみてください。 いろいろな活動内容を見てもらえば、けっこう楽しくお金をつかいたくなりますよ。
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