週末のセミナーが終わった後、若い2人が走り寄ってきて尋ねた。 まだ学生なんで毎月1万円とかの積立てしかできませんが、それで長期投資やっていていいのでしょうかと。
いいどころの話ではない。 聞くと、まだ21歳という。 これから30年40年と長期の積立て投資を続けていったら、彼らが想像もつかなかったほどの財産ができてしまう。
もちろん、投資だから必ずこれだけの成果が上がるといった、将来の約束はできない。 しかし、長い経験からの「財産づくりイメージ」は語れよう。
それも45年やってきたのだから、一般的にいわれているような「投資における不確実さとかが問題となる時間軸」を超えた経験則として、自信を持って語れる。
なにしろ、本格的な長期投資は文字通り長い時間の流れの中で、投資価値の高まりをひたすら追い求める。 そういった投資対象を常日頃から絞り込んでおいて、安い時に買っておいては高くなったら売り上がっていく作業を繰り返すのだ。
不確実性の最たるものである、マーケットでの価格変動とはつかず離れずの立ち位置を守り、マイペースの長期運用を淡々と続けていく。 そして、安く売って高く売るというリズムを大事にする。
これだけのことに徹していれば、時間はかかるが、そこそこの財産は積み上がっていく。 だから、学生たちには「すごいことになるぞ、ずっと頑張ってみろよ」といっておいた。
こういった若い人たちが、口コミでもなんでもいいから、どんどん増えていってもらいたいものだ。 若い世代に限らないが、とにかく長期投資はしておきたい。
日銀の貯蓄広報中央委員会の発表では、貯蓄ゼロの世帯が30%を超えている。 これは、2015年のデータだが比率はじりじりと上がっている。
一方、個人の預貯金残高はこの25年間で380兆円ほど膨れ上がっている。 このギャップ、おかしいと思わないか。 貯蓄もできない世帯がどんどん増えている横で、家計の貯蓄残高は著増しているのだ。
富の偏在が着実というか不気味に進んでいるのだ。 収入が減ったり、親の介護で離職したりと、いろいろな理由はあるだろう。 だからといって、もう国まかせでは済まされない。
はっきりしているのは、自分も頑張って働くけれど、お金にも働いてもらうことの大事さが、きわめて身近な問題となってきていることだ。
その問題意識が高まれば高まるほど、長期投資をする人たちが広まっていくことになろう。 その時、積立て投資はありがたい味方になってくれる。
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