週末のパリでのテロには、憤りと手の施しようのない身近な危機感に襲われた人が大半だろう。 あのようなテロの温床には、政治の混乱や民族・宗派の対立もあるが、どうにもならない貧困もある。
世の貧困をなくしていくためにと、各国政府はもちろんのこと国連などもいろいろ手を尽くしている。 しかし、一向になくなる気配はない。 否、むしろ貧困が拡大していく懸念さえ出てきている。
日本でも、子供を抱えてなかなか収入の高い仕事に就けないシングルマザー家庭などの生活苦は、相当に厳しいものがある。 まともに教育を受けられず、将来の貧困予備軍を危惧される子供たちも、どんどん増えている。
そのような現実に対し、われわれの長期投資は直接的ではないとしても、抜本的な解消策を講じていけるのだ。 即効薬とはならないが、根本的な貧困撲滅には大きな力を発揮する。
先ず、長期投資そのものがより良い社会をつくっていく方向で、お金をまわそうとする。 経済は、より多くのお金が流れ込んでいく方向で拡大発展するもの。
世界の金融マーケットで主流となっている、ただお金と成績数字を追いかけ、後は野と山となれの連中とは価値観が違う。 自分たちが住むであろう将来の社会や経済を、より心優しくしっとりとしたものにしていこうとする、強い方向性を持っている。
そういった長期投資家が増えれば増えるほど、世の中のお金の流れが人間的な優しさと思いやりにあふれたものになっていく。 それはそのまま、生活に恵まれない人々にも伝わっていくことになる。
次に、長期投資の先にはファイナンシャルインデペンデンスが待っている。 自分の経済的な自立は達成できた今、自分の生活を超えたお金のつかい方が課題となってくる。
そこでは不思議と、文化・教育・芸術・スポーツ・技術・寄付・NPO ・ボランティアといった方向で、余裕のお金をつかうことになる。 ということは、そういった分野で新しい産業が勃興することになり、新規雇用もどんどん拡大する。
つまり、長期投資で経済を拡大発展させ、ファイナンシャルインデペンデンスでどんどん新しい産業や雇用を創出することになるのだ。 これだけでも、経済は人間的な優しさをもって発展し、なおかつすごい貧困撲滅策となる。
さらに言えば、寄付の文化を高めることで生活苦の人々への支援が急ピッチで拡大していく。 これら、すべてが長期投資の文化というもので、世の中をいくらでも良くしていけるのだ。