企業努力が株価上昇につながっている

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 昨日の企業経営者を主体としたセミナーで、おもしろい質問があった。 澤上さんは6年か7年前のセミナーでも、強い信念と自信でもって株を買っておけといわれましたね。

 その後、アベノミクスの登場もあって株価は2倍以上になってきました。 アベノミクスとかの読みが見事に当たったと理解して良いのですか?

 まったく違います。 政治には多くの期待をしていません。 現にアベノミクスも両刃の剣で、たまたま良い面が出ているだけで、いつマイナス面が噴き出るか知れたものではありません。 それが、今日前半の自分の話だったでしょう。 政治に頼れば頼るほど、大きなツケが後からまわってきます。

 自分が強気を唱え続けてきたのは、皆さん経営者の自助努力を買っているからです。 リーマンショックも超円高も、結局のところ個々の企業が自分の力で乗り切るしかないと、自助の精神をフルに発揮してきたはずです。

 それに対し、株価はどの企業もお先真っ暗、もうダメだと言わんばかりに売り叩かれていた。 だから、断固たる応援買いを入れようと強く主張してきたわけです。

 昨今の株価上昇も、そういった企業努力を部分的に評価しだしたぐらいのものです。 皆さん各企業の経営努力次第では、もっともっと上値がありますよ。

 そう説明したら、たしかにその通りと肯く顔もあれば、ほんの一部で半信半疑の顔もあった。 自助の精神で頑張ってきた企業にとっては、苦境を乗り越えてきたが故の自信めいたものが、じわじわと湧き上がってきているのだろう。 

 一方、まだまだ政治頼み景気まかせのところは、アベノミクスの動向が気になって仕方がない。 それもあって、セミナーは真剣に聞いてくれ、しっかりメモを取っておられたが、さてどこまで自助の精神を高めてくれたことか。

 以前から書いてきていることだが、アベノミクスには悪乗りしてでも株価上昇とその先の景気回復に積極参加したい。 株価の水準や景気のレベルをできるだけ上げておけば、それだけマイナス面が出た時のバッファーが大きくなる。

 一般生活者にとっても、長期の株式投資をどんどん積極化させておくことだ。 企業の自助努力と同様に、それが一番安全で確かな生活防衛となり、財産づくりともなるのだから。

 自助の精神で世の中になくてはならない事業の基盤を強化している企業を応援しようと、株価が売り叩かれている時に断固として株主となっていくのが長期投資である。

 そういった企業をとことん応援していくことが、経済の自立的拡大発展に大きく寄与し、良い社会をつくっていくことにもなる。 企業も個人も、はたまた社会経済も、いつでも基本は自助自立の精神である。 アベノミクスを含め、政治は補助的なものぐらいにしておこう。