日本経済の活性化に新規ビジネスの起業は欠かせないということで、官民挙げての起業ブームとなっている。 といっても、起業はいまに限ったことではない。 個人商店や町工場があちこちで立ち上がっていくのも、手もみ足もみからアロマセラピーのお店まで、どれもこれも起業である。
これまで星の数ほどの起業があって、やはり星の数ほどが消えていった。 ことのはじめは夢や思いから、はたまた食っていくためと割り切ったものまで、起業に至った理由や背景は千差万別である。 雨後の竹の子のように生れ出てくる起業の間で、激しい淘汰と適者生存が繰り返される。 それが社会の現実である。
どういったものが生き残るのか? 世の中や人々が必要とする、それに対してお金を払ってもいいと評価されるもの、それが事業としての生き残り条件である。
事業開始にあたって、華々しくマスコミに取り上げられたり、官の資金が投入されたりしたものなどが必ずしも成功するとは限らない。 むしろ、1年もしないうちに忘れ去られるのがほとんど。
一方、スタート時こそ小さなお店の商売だったが、お客様に喜ばれ大事にされてなんとかまわっているうちに、少しずつ大きくなっていくケースが圧倒的に多い。 それが、事業としての成功である。
今年の9月10月と、”みんなの夢アカデミー” を開講して、多くの人達の夢や思いを聞かせてもらった。 これは、来年2月23日に東京の武道館で開かれる、第5回みんなの夢アワードに挑戦する500余名のうち、80名ほどの希望者に6回の集中講義を受けてもらったもの。
第1次から第3次までの選考を経て、ファイナルに残った7名は来年の2月23日に8000名の前で最終プレゼンをする。 自分も審査委員の一人として、最優秀者を選ばことになるが、上に書いたことを念頭に置いて1票を入れたいと思っている。
つまり、プレゼンの上手さや聴衆を魅了する話しぶりには重きを置かない。 候補者の夢や思いがどれほどの情熱に裏付けらており、やろうとしている事業が世の中にどうお役に立っていくかなどを厳しくチェックしたい。
それよりも大事なのは、第1次第2次で選考から漏れた人たちも含め、自分は何をしようとして起業するのかの原点を忘れないことだ。 みんなの夢アワードの優勝賞金2000万円を狙っただけのことか、自分の夢や思いを一人でも多くの人々に訴える機会を求めたのか。
訴えるといっても、人々の共感や協力者を求めるレベルではつまらない。 事業をしたいのは自分のはず。 協力者を募ることに無駄な時間やエネルギーを費やす暇があるのなら、自分一人でさっさとやっていけばいい。 協力者など、後からついてくるものだ。
そう、自分の夢や思いを試してみようではないか。 皆の前で語ってみたものの、さっぱり受けない。 結構である。 受けないのは、自分の夢や思いが独りよがりでしかないのか、多くの人の理解の先を行っているのか、それを検証する機会が得られたわけだから。
人々の先を行っている、これぞまさしく事業成功の必要条件である。 こうなったらいいなあ、こんな生活したいなあといった、世の人々の潜在ニーズをいち早く感じ取って、先ずは始めることだ。
”あっ、そういうのが欲しかった” と、多くの人々が飛びついてくるぐらいの潜在ニーズ先掘りこそ、事業家たる所以である。
明日はインベスターズTV の生放送だ。 皆さん、ぜひ見てください。www.investors-tv.jp/