この1週間ちょっと、世界の株価は波乱含みとなっている。 ずっと高値追いしてきたから、利食い売りなどで値幅調整の展開となってもおかしくないところ。
ところが相場は面白いもので、すこし売りが嵩むと多くの投資家はもう浮き足立ってくる。 そして、売らなければならない理由を探しては、どんどん弱気になっていく。
ためしに、すこし彼らの弱気に付き合ってみようか。 ユーロ圏の経済が弱い、日本のデフレ現象の再来もあり得る? 世界経済の成長率ダウンで、原油はじめ様々な資源価格が下がっている、これは世界的なデフレれを示唆している? ひとり米国景気は好調だが、大幅金融緩和の出口戦略を急ぎ過ぎると、世界のマネーが米国へ集中し新興国経済に打撃となる?
とまあ、いろいろ売りたくなる理由が飛び出てくる。 もちろん、それ以外にもイスラム国の問題やら、やや下火になってきたウクライナ問題やら、数え上げたらキリがないほど株は売っておかなくてはの不安材料が出てくる。
ここで落ち着いて考えたいのは、それらのどれもが現状のどうのこうのを騒いでいるに過ぎないということだ。 たしかに、マスコミのレベルにおいては重大かもしれない。 なにしろ彼らの仕事は、現在起こっている社会経済の事象を迅速に、かつ人々の関心を買うべく派手に報道するところにあるのだから。
しかし、いつも書いているように、だからといって世界経済が消えてなくなってしまうわけではない。 それどころか、毎日18万5000人ずつ地球上人口は増え続けており、どの国の人々もより豊かな生活を望んでやまない。
ということは、一時的な調整局面はあったろところで、エネルギー・食糧・水・工業原材料の需要は膨れ上がる一途。 すなわち、世界全体では長期にわたって構造的なインフレ要因が横たわっており、世界経済のデフレ突入なんてありえないこと。
ひるがえって日本でも、人口の減少やら高齢化社会とやらで、日本経済の先行きを悲観する人たちは多いが、彼らとてジリ貧は嫌である。 われわれは、もちろん御免蒙る。
人々の間で、なんとかしなければの意識が高まっていくにつれ、長期投資で世界の成長に参加する方向に足を踏み入れることになる。 成熟社会になればなるほど、資本を提供する立場で経済成長に参加するのが、先輩先進国でずっと実証されている有用な生き方なのだから。
長期投資の凄いところは、この1週間でも見られた株価下落時に、慌てず騒がずでしっかり買っておくこと。 今週さらに下がったら、もっと買っておく。 それに尽きる。
長いめで見れば、世界経済は成長するに決まっている。 どこかで株価も上値追い基調に戻ってくる。 それを見て、多くの投資家が買い群がってくることで、われわれ長期投資家に大きなリターンをもたらしてくれるのだ。
さて、皆さんはここで買っておきますかな? それとも、マスコミや評論家と一緒になって大騒ぎし、株価が戻ってきたところで高値買いしますかな?