国の年金制度こう変えよう

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 昨日の続きみたいになるが、やはり年金の問題はできるだけ早くすっきりさせた方がいい。 以下の抜本的な改革案、以前からの繰り返しとなるが、あえて書いてみよう。

 先進国どこも高齢化の進展で、年金の保険積立て制度は先行きがどんどん厳しくなっている。 年金給付を受ける高齢者層が急激に増えていくのに対し、年金を積み立てる現役層の負担が増える一途。 このままいけば、いずれ時間の問題で年金財政は破たんに近付く。

 現行の年金制度を延命させるには、高齢者層への年金給付を減らすか、積立額を増やすかしかない。 あるいは両方を並行させる。 いずれにしても、国民の年金負担は重くなるばかりである。

 だったら、年金給付は消費税を改めた社会福祉税で賄うことにしてしまった方がすっきりする。 65歳あるいは68歳以上の国民は等しく、たとえば月10万円の年金給付を受けるようにする。 国民均等年金の総支払い額を賄う水準で社会保障税の税率を決めれば、国民が広く薄く負担する方向で年金問題は未来永劫なくなる。

 ここで再来年からスタートするマイナンバー制度が大きな役割を果たすことになる。 国民一人ひとりの収入状況がすべてコンピュータ把握されるから、年金受取り額を含めた総収入に対して税を課すことができる。

 それでもって、国民のすべてが総所得額に応じた公平な税負担をすることになる。 総所得の低い人には適切な生活保護額を給付できる一方で、不正な生活保護受け取りは一掃してしまえる。

 現に年金を受けっとっている人たちや、年金を積み立ててきた高齢層並びに現役層はどうなる? その人達に対しては、今現在の権利に相当する額を一生上乗せしてやればいい。 それでもって、現行の年金制度からの移行で一切の不公平感はなくすことができる。 これも、マイナンバーで総所得に算入されるから、国の負担は増えない。

 年金を社会福祉税で賄う方向に切り替えると同時に、現行の保険積立て制度は廃止する。 国民年金の130兆円を含め公務員共済などの積立金は全額を国庫に繰り入れることで、国の借金を200兆円ほど減らしてしまえる。

 もちろん、厚生労働省はじめ年金関係の人員並びにコストは劇的に削減できる。 公的年金の運用も不要となる。 国債保有はそのまま国庫で償還されるし、株式保有分は10年ぐらいかけてゆっくりと売り上がっていけばよい。

 年金運用ビジネスがなくなる? 公的年金の運用は廃止となるが、自分年金づくりには税優遇措置を講じることで、民間に私的年金運用という新たなビジネスを創出させればいい。 投信や保険会社が運用競争を繰り広げることで、むしろ運用ビジネスは鍛えられる。

 先進国で初めての大改革となるが、すべて政治家の覚悟と決断次第。 といっても、せいぜい厚労省関係の反対を押し切って、税と社会保障を一元的に扱う歳入庁を新設するだけだ。

 年金問題や不安を一掃してしまえば、高齢者層の過剰な貯蓄志向もなくなり消費は間違いなく増える。 社会保障がらみの国の財政負担もなくなり、財政健全化へ大きく一歩を踏み出せる。