全体像を常に意識しよう

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 人はなにかにつけ身近なところで考え、自分の都合の良いように判断しがちである。 そして、嫌なものからは眼をそらしたり、遠ざけようとする。

 それが人情というものよといわれれば、はいそうですねとなる。 そうこうしている間に、敢えて見ないようにしていた嫌なことが現実となるや、皆が右往左往の大騒ぎとなる。

 いま、われわれの身の回りではいくつかの ”考えたくもない現実” が不気味なほど静かに出番を待っている。 今日は、それらを洗い出してみよう。

 先ずは、年金だろう。 厚生労働省を中心として専門家が年金の将来像でいろいろなシミュレーションをしてくれているが、それらのどれもが状況は厳しくなるという方向にある。 少子高齢化の進展もあって、楽観的な見通しなど立てようがないのだろう。

 厳しい見通しだということではあっても、自分は何とかなるだろうと都合よく受け取って、そこで思考停止してはいけない。 厚労省のシミュレーションそのものが、現実離れした大甘な前提をベースとして計算している。

 官僚も人の子で、自分たちの任期の間に大きな崩れがなければ良しの前提で、100年は持つだろうという机上計算をしてくれる。 7年10年後に前提が崩れたとしても、彼らはもうそのポジションにいない。 

 どうしたらよいのか? どの年金見通しも厳しい将来像を描いて見せてくれているが、それだってまだまだ楽観に過ぎる。 もっと厳しい現実への意識を今から持っておこう。

 それには、自分年金づくりを積極的に進めていくこと、その上で国の年金はもらえたら儲けぐらいの位置づけにしておくのだ。 そうしておけば、年金財政がガタガタとなっても平然と構えていられる。

 次は、国の財政。 もう既に1000兆円を超す借金を抱えていて、毎年40数兆円の借金積み増しを続けているのだ。 国や専門家はまだ当分は大丈夫といっているが、このままで良いという人はいない。 なんとか財政の健全化を急がなければでは、皆が一致している。

 問題は、まだなんとかなるの判断にどれだけ大局観をベースとしているかだ。 政治家は選挙を意識し、役人は現在のデータをベースに机上計算し、エコノミストなど専門家は理論的にはで、皆が口をそろえて当分は大丈夫といっている。

 そんなもの当てにしない方が賢いだろう。 家庭で考えたらすぐわかる。 借金まみれの家計は、いずれ自己破産する。 それを避けるには、血のにじむような節約をしつつも収入を増やして、借金を返していくしかない。

 それなのに、国や政府のやっていることは、成長戦略の名の下の予算ばら撒きで借金を増やし続けている。 その横で税収増を狙うが、消費増税などを急ぐと景気そのものを腰折れさせてしまう。

 国が走っている方向は、財政破たんの崖っぷちを目指して進んでいる。 その先に何が待っているのかを見ないよう見ないようにしているが、危ない方向に走っているのは間違いない。

 われわれはどうするか? 国の政策に頼らない自助の生き方を高めるしかない。 同時に、財産も自助の意識の強いところへ移しておくこと、つまり本格的な長期投資を進めていくのだ。