昔から、株式投資はリスクが大きいとか博打に近いといわれている。 その横で、財産づくりの王様とみなされているのも、知る人ぞ知るである。
リスクが大きいという不名誉な一般認識は、多くの投資家が相場を追いかけては儲かりそうなところ、つまり相当に株価が上がった段階で買おうとするからだ。 高値をつかんでいては、そうそう儲けられない。 ちょっと株価が下落するだけで、たちまち損失が膨らんでしまう。
将来価値が高まるであろう企業の株価が安値に放置されている間に、じっくり買い仕込んでおけばどれだけ楽な投資ができるか、一度ためしてみるといい。 いわれるほどのリスクなど、どこにも感じられないはず。
一方、財産づくりの王様というのは事実である。 株式や債券はじめあらゆる投資商品は、その時々の景気や金利動向を大なれ小なれ反映した値動きとなる。 その値幅取りという意味では、どの投資商品でも似たり寄ったりのリターンとなる。
ところが唯一、株式だけは企業の利益成長という固有価値の高まりが、株価に上乗せされてくる。 利益成長という上乗せ分だけ、株式投資のリターンは他の投資商品よりも高くなる。 だから、財産づくりの王様といわれるわけだ。
もうひとつ株式投資には大きな利点がある。 それは、企業があなたに代わって世界の成長に投資してくれることだ。 つまり、世界経済の成長を取り込んだ財産づくりが、居ながらにして出来てしまうということ。
多くのグローバル企業は世界各地でビジネスを展開している。 各国の景気や金利変動はもちろんのこと、政情不安や社会の動静から為替変動まで、あらゆる対応を常時迫られる。 それらのすべてが集約されて、各企業の売り上げや利益となっていくわけだ。
もし、各国の情勢を個々に分析しながら自分で投資していくとなると、考えるだけでもゾッとする。 早い話、夜眠っている間にも、世界中あちこちで経済活動は動いている。 それらをずっと追いかけるとなると、肉体も神経もやられてしまうのが落ちである。
その点、株式投資であれば企業のグローバル展開を応援しようとするだけで、世界の成長を取り込んだ財産づくりとなっていく。 せいぜい調べることは、どの企業が自分の思い描くのと同じ方向で世界ビジネスを展開しているかだ。
中途半端な国際分散投資をやるよりは、よほど安全で確実なグローバル投資ができてしまう。