現状を何とかしたい、だから長期投資よ

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 もう30年ほど前のこと。 ずっと長期投資をやってきて、”これなら、いけるぞ” というイメージが明確になってきた。 そのイメージを固めるべく、過去100年ぐらいの世界の事例を洗い出して検証してみた。 そして辿り着いた結論は、投信で行こうということ。

 なんのことか、もうお分かりでしょう。 本格的な長期投資を投信にかましてやると、世界中の人々すべてとはまではいかずとも、驚くほど広い裾野の人々が幸せな生活を実現できる。 もちろん、幸せな生活を望むのであれば、その意思と意欲を持って行動することが大前提になるが。

 たとえば、さわかみファンドであれば、誰でも1万円から財産づくりに踏み出せる。 いま1万円もないという人だって、少しずつ貯めて1万円をつくり、それをファンド購入に回すのだ。 その繰り返しで、どんなに少額の資金だろうと、長期投資をベースとした財産づくりの路線に乗せられる。 後は、時間のエネルギーがもたらしてくれる複利の雪だるま効果を待つだけである。

 そこで重要になってくるのが、さわかみファンドの運用である。 ただ成績を出そうとシャカリキニなって、いま人気の企業や相場を追い回すと、どこかで相場の波に足をさらわれる。 しかし、本格的な長期投資を地道かつ着実に進めていけば、企業の社会的経済的価値の創造と増殖に乗って、長期投資のリターンも積み上がっていく。

 この考え方のどこにも浮ついたところはない。 生活者として無くなっては困る企業、将来に夢を託せる企業を応援すべく、皆が売って株価が安いところでは断固として買い仕込む。 そのうち、状況が良くなってマーケットで大騒ぎされ出したら、その企業の応援をにわか応援団に任すべく利益確定の売りを出す。 この繰り返しを淡々と進めることで、長期の財産づくりは進んでいく。

 そうはいうものの、さわかみファンドはスタートしてもう14年になるが、どこまでファンド仲間の財産づくりをお手伝いできているといえるのか? たしかに、これまでのところ複利の年率で3.5%前後の成績では、預貯金よりはましだった程度でしかない。 悪くはないが、大したこともない。

 しかし、この14年ちょっとの間、さわかみファンドの長期投資の理念や方向にまったくのブレはない。 そして、これはと思う企業の応援という意味では、おそらく世界中のどのファンドよりも徹底的に下げ相場を買い向かってきている。 ファンド仲間の皆さんからお預かりしている虎の子を1銭として無駄に遊ばせることなく、良い世の中づくりにまわさせてもらっているのだ。

 社会的にも経済的にも、きわめて価値ある長期投資を進めているわけで、その成果はいずれもっと大きな成績数字につながっていっておかしくはない。 それが、長期投資をベースとした財産づくりである。 社会が良くなっていく中で財産づくりが進んでいく、そこにこそ多くの人々の幸せもあるはず。

 明日も予定がびっしりで、長期投資家日記は残念ながらお休みです。 次回の15日まで、本格的な長期投資の良さというものをじっくり考えてみてください。