いま、ちょっと悪戦苦闘している。 次の出版の企画で、若い主婦や一般女性向けに、わかりやすく誰でもスーッと財産づくりに入っていけるような本を書こうということだ。
打ち合わせの段階で、優しいけど相当に厳しい注文をたっぷり受けた。 こちらは、もともとできるだけ簡単な表現で世の中の一般生活者に長期投資を語りかけ、かつ実践してもらおうとしている。 ところが、今回の企画を一緒してくれる2人の主婦からは、それでもまだ難しいと指摘される。 難しいというか、そんな文章は中途であきらめられてしまうという。
じっくり読んでもらえないとなると、こちらとしても書く意味がない。 できるだけわかりやすくと、いつも丹精込めて書いているのにね。 これは、恐ろしいことである。 手ごわい敵に遭遇するようなもの。 まだ見ぬ未知の読者に、どうのめりこんでもらうか。 なんだ、そんな簡単なことかと読み終えてもらえて、初めて一冊を書き終えたことになる。
ともかく書き出してみた。 優しくわかりやすく、身近な生活感覚で、すらすらと読んでもらおう。 そう意識して書き始めたら、もう書いては書き直しの連続。 ふと気が付いたら、3週間たって、たったの1500字しか書けていない。
おいおい、こんなペースでは1年かかるぞ。 やばいということで、先週末に作戦を変えた。 まずは、いつもの調子で書きたいと思うことを書いてしまおう。 出来上がったものを2人のお目付け役に見せて、ダメ出しを食らったところを手直しした方が早いだろう。 そう決めて、これまでの遅れを取り戻すべく週末はガンガン書き進んだ。 一気に、1万字ほど書いたから、ちょっとすっきりした。
ともあれ、自分にとっても初めての経験。 それもあって、挑戦意欲はきわめて高い。 なんとしてでも、良い本に仕上げてやるぞと意気軒高である。 若い主婦や一般女性が長期投資に向かってくれれば、男たちは放っておいても飛び込んでくる。 皆が行動に移って日本経済を活性化できれば、誰にとっても文句はない。
おそらくだが、この後しばらく執筆はお預けとなる。 ”長期投資家の企業分析” といった、超お堅い本を仕上げてやろうと思う。 いま世界で主流になっている企業分析は、どちらかというと年金はじめ機関投資家が短期の投資リターンを最大化する方向で磨き込まれてきたもの。 一方、企業経営は10年ぐらいの時間軸で動いている。 そこに大きなギャップがある。
われわれ長期投資家は当然のことながら、企業の長期経営戦略と歩を同じくする。 つまり、いま主流となっている企業分析の多くに、どうも違和感を覚えるのだ。 そのあたりを、真正面から突いてみようと思う。 ちょっと時間はかかるが、そろそろ書いてみよという気になっている。
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澤上篤人の新著「長期投資家のための企業分析と実践」が発売されました。 普段「なぜ長期投資・運用が必要か」を題材にした本、またはセミナーが多い著者ですが、今回は、その実践編となる企業の分析方法などを具体的に書いています。 直接投資をされない方でも「富とは」「費用とは」を考えることができる一冊となっておりますので、ぜひご覧ください。
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