アベノミクスへの期待感が加速しつつ高まっている。 先への期待感が高まることは、日本経済の活性化に良いこと尽くめとなるから、国民の皆が悪乗りしたいもの。
経済は生き物だから、多くの人々が前向きの行動に移ることで、いくらでも活発化する。 現に株価が上昇に転じてきているし、その資産効果で高額品の消費が早くも動き出したとのこと。 給与やボーナス支給額を高めて、個人消費を刺激しようという企業も数多く報道されている。 このような動きが社会全般に広がることで、どんどん前向きの経済行動を引き起こす好循環となっていく。
また、経済はお金を使えば使うほど拡大発展するし、使った以上に給料などの収入として、増えて戻ってくるという性格を有している。 逆に、先行きを不安がってお金を抱え込んでしまうと、経済活動は縮小均衡の道を転げ落ちていく。 つまり、誰の幸せにもならない。
よくデフレ経済というが、まさしく国民の皆が縮込まってしまっているからだ。 多くの人々がだまされたと思って、預貯金の5%を引き出して消費や長期投資に向けてくれるだけで、デフレなど瞬時に吹き飛ばしてしまえる。
たとえば、個人の預貯金マネー785兆円のうち高齢層が保有している60%分は横へ置こう。 高齢層はいろいろな老後設計があるから、それぞれのプラン通りにしてもらっていい。 政府や識者が、いかにして高齢層にお金を使わすかをお題目のように唱えるが、そんな無理をしてもらわなど野暮なことはいわない。
一方、現役層はデフレ経済が続いて良いことは何ひとつない。 給料やボーナスは減っていくし雇用不安も高まる。 また、年金財政もますます不安定となっていく。 なんとかして日本経済を元気にさせなければ、自分の現在も将来も不安定きわまりなくなる。
そこでだ、現役層が保有している40%分の預貯金314兆円のうち、たった5%でいいから消費や長期投資に向けるのだ。 それだけでも、15兆7000億円と巨額で、日本経済を3.3%も押し上げる要因となる。 今年の経済成長率が1%前後の予想とすると、現役層が預貯金の5%を使うだけで、4.3%前後の成長が実現するのだ。 もはや、デフレなど誰も言わなくなる。
日本経済が4%以上の成長をするなんて、バブル崩壊後22年にわたり絶えて久しい快挙である。 別に、アベノミクスなどなくても構わない。 現役層が生活防衛の自助意識で預貯金のたった5%を使うだけで、デフレどころか成長経済を実現できてしまうのだ。 もちろん、高齢層も前向きに預貯金を崩して消費や長期投資に参加してくれたら、さらに結構なことになる。
もう長いこと同じことを繰り返し言ってきたが、アベノミクスが引き金となってお金が動き出した。 どうせなら国民の多くが悪乗りしてでも、この動きを高めたいものだ。 その時、預貯金に眠っている個人マネーは途方もなく強力な武器となるのだ。
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