今日は宮城県女川町で、町おこしの勉強会。 原発で有名になった町だ。 町長さんと話し合ったら、なんとか地元の経済力を高めたいと頑張っている若い人達多いとのこと。 そんな彼らと、どうやって経済的な自立を図っていくのかを勉強する。
一般的には、企業を誘致したり観光振興で町の経済に潤いをもたらそうとする。 その典型例が原発の誘致であった。 たしかに、巨額の事業費を落としてくれたし、今も多くの原発関連者の行き来がある。 それが、地元経済に大きな収入源となっている。
そういった誘致型の経済は、来てくれる国や企業などの台所状況と判断次第で、いつどうなるか知れたものではない。 観光振興もまったく同じで、毎年の誘致に相当な宣伝広告の予算が必要となる。
地元経済の自立的発展を図るとなると、やはり地元の人々が事業を興して、それを着実に伸ばしていくに限る。 それも、できるだけ地元の資金を活用していくことだ。 願わくは、個人の預貯金マネーの一部が引き出されて、直接に地元企業への応援資金となっていく流れを作りたいもの。
いわゆる直接金融の良さを、地元経済活性化にフル活用するのだ。 自分達の職場である地元企業の運転資金を、自分達で出し合うのだ。 そうすれば、売り上げの伸びにも、なにかと協力しようという気になる。 経営のコスト意識にも厳しく目が届くことになる。 結果的に、みなで地元企業を支えつつも、健全な経営を求めていくことになる。
そういった地元の人々による事業を、地元の人達の資金で支えていく、地元完結型で身の丈にあった事業拡大が、地方経済活性化には大事である。 これが、国の補助金や銀行融資をベースの事業展開となると、どうしても書類ベースの浮世離れした拡大指向となってしまう。 現に、官製事業や補助金事業の多くが、国内あちこちで無惨な失敗の山を築いているではないか。
地元の限られた人材と資金で、地道ではあるが味わいのある事業を展開することこそが、全国ベースの事業にはない良さを世に問うことになる。 地方経済はローカル色が豊かであってこそ、またそれほど規模を追求しないからこそ、希少価値という売りを生むことになるのだ。 むやみやたらに規模を追求することだけがビジネスではない。
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