雇用対策

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 ユーロ圏の失業率が5月には11.1%となり、統計上で比較可能な1995年以降で最低を記録したとのこと。 とりわけ状況が深刻なのがスペインで、5月の失業率は24.6%となった。 25歳以下の若年層に至っては、52.1%に達したと今日の日経新聞は報道している。

 大変だなあと、人事のようにいってはおられない。 われわれ日本人にとっても、いつ明日はわが身となってくるか知れたものではない。 ずっと迷走を続けているいまの政治や経済政策をみていると、決して他人事ではない。 このままずるずるとジリ貧の経済を続けていった先には、ユーロ圏の人々の苦しみと似たものが待っている。

 とりわけ要注意なのが雇用問題である。 ユーロ圏では金融問題に引きずられて各国の財政が悪化し、景気を云々する前にとにかく財政規律だの声に押されて、景気がどんどん落ち込んでいって失業が急増した。

 ここへ来て、ひたすら財政規律を求めてきたドイツ政府もやや軟化の兆しを見せ始めている。 ユーロ圏の構成国の間でも、もっと成長を意識しようといった声が高まっている。 どこかで政策の転換と、それにつれてのユーロ経済の持ち直しも期待できよう。

 さて、問題は日本である。 自民党時代も、いまの民主党政治でも労働組合組織の声を政策に反映させる点においては、よくやっているといえるかもしれない。 しかし、労働組合といっても大企業が中心であって、その全国組織も昔から労働貴族とか言われてきたように、どこまで中小企業や町工場の声を代表しているかは疑わしい。

 現に、この21年間というもの中小企業や町工場の廃業が恐ろしい勢いで進んでいる。 生産活動においても雇用吸収力においても、日本経済の生命線である中小企業や町工場が消えてなくなっていくのは絶対にマズイ。 ところが、国の政策には成長戦略もなければ、中小企業への配慮にも欠けている。

 このまま時間だけ浪費していると、日本経済は本当にダメになっていく。 経済全体の活力が失われていくにつれ、真っ先にしわ寄せが来るのが雇用である。 それも、中小企業や町工場などが一番厳しい。

 ここでまた、いつもの繰り返しとなるが、政治に多くは期待できなくても、長期投資で何とでもなるのだ。 預貯金に寝かしているお金をどんどん引き出してきて、長期投資に向けてやれば経済活動はいくらでも活発化する。 それは、そのまま雇用の創出につながるわけで、別に国頼らなくても良いのだ。

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