今日までで、緊急事態宣言による多くの縛りが解除となる。 ようやく解除かというところだろう。
ともあれ明日からは、飲食業をはじめとして広範囲で経済活動が復帰の路線に入っていく。
全面復帰というまでにはいかずとも、解除は解除で結構なことである。
この1年半、コロナ禍ということで、人の往来はじめ行動を厳しく制限してきた。
それは、飲食や旅行観光業に大打撃を与えたのみならず、雇用やアルバイト先の大幅な縮小となってきた。
現に、多くの人々や大学生の収入源に直結しているし、生活に苦しむ人々を続出させている。
飲食業などの事業経営に対しては、所得補償といった措置が取られているが、まったくをもって十分ではない。
そのため、老舗をはじめとする多くのお店や中小業者の廃業が後を絶たない。
一方、仕事やアルバイト先を失った人たちや学生に対しては、これといった救済措置も講じられていない。
たしかに、コロナ感染防止やコロナによる死者を出さないということは重要である。
しかし、こんなことを続けていたら経済や社会が死んでしまうぞといった議論は、あまり湧き上がってこない。
人々の動きを制限することは、飲食業や旅行観光業などに打撃を与えるだけではない。
サービス業は一般に雇用吸収力の大きな業態であるが故に、多くの人々の収入源を奪ってしまうことにつながる。
経済や社会に与える打撃はきわめて大きい。 それなのに、弱小業者やお店の苦しみは、さほど深刻に受け取られない。
ここが、大企業などが苦境に陥った場合に、マスコミはじめ大騒ぎされる、いつもの不況との違いである。
雇用吸収力や社会インパクトからいうと、けた違いに大きな中小企業や弱小業者なのに、その苦境に対しては、あまりに関心が薄い。
こんな不条理、政治も社会もおかしいんじゃないかといった憤りが、ふつふつと湧き上がってくる。
ひとつだけ、とはいえ最大の救いは、中小企業や弱小業者の中には生命力や生活力の旺盛なところが一杯いることである。
コロナなどによる人々の移動や行動制限さえ取っ払ってくれたら、後は自分たちで事態を打開しようとするだろう。
なにかにつけて政治や補助金などに頼ったりする甘えなど、街角のお店や中小業者はそもそも持っていない。
そういった人たちの自助自立の経済活動こそが、経済の原点である。