生活者株主

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 8月9月と必死に書いた2冊の本が、ようやく書店の店頭に並び始めている。 といっても、一冊目は10月はじめからで、もう4刷りとのこと。 ”やっぱり、インフレがやってくる” のタイトルが効いているのか、多くの方々に読まれている。

 読んでもらえれば分かるが、インフレが到来しようがどうだろうが、きちんと長期投資しておけば生活防衛になってしまう。 そちらの方が、よほど重要である。

 もう1冊が、そろそろ店頭に並び始めている。 こちらは、はじめから終わりまで生活者投資家、あるいは生活者が株主になるという長期投資の根本を、繰り返し書いている。 本当は、”生活者株主が日本経済を活性化させる” という書名にしたかったのだが、出版会社サイドがどうしても長期投資という文言を入れたいということで、”5年後の日本をいま買う長期投資” となった。

 これから広めていきたいのが、生活者が株主になるという考え方。 われわれ生活者にとって企業の生産および供給活動なかりせば、日々の生活はおろか命すらない。 企業にとっても、生活者の消費なかりせば売り上げが立たず、経営も利益追求もない。

 いってみれば、生活者と企業とは紙の表裏の関係で、切っても切れないものなのだ。 それが分かってていて、どうして株価がボロボロの安値にまで売り叩かれているのを、われわれ生活者は知らん顔できるのだろう。

 逆いうと、生活者にとってなくなっては困る企業の応援株主になるという価値観が一般化していけば、今のような暴落低迷相場では自分たちの生活に欠かせない企業を守ろうと、個人マネーがどんどん応援買いするようになる。

 その動きが高まれば、株価下落は収まりむしろ上昇に転じる。 株価上昇はいつでも経済社会の心理を明るくさせるし、資産効果を生んで消費や企業の投資を高めてくれる。 つまり、景気回復の特効薬となるのだ。 生活者にとって大事な企業を応援できて、なお景気が回復に向かえばだれにとっても文句はない。

 それでどころか、個人マネーが企業を応援しようとどんどん株式市場に流入してくれば、その資金の大半は経済の現場に流れ込んでいく。 つまりは、民間版の景気対策が自然体で進められるのだ。 どうせ預貯金に寝かせておいても、年0.02%の富しか生まない。 ところが、株買いにまわせば経済の現場へ資金が流れ込み、景気が良くなって給料も増えてくれる。 どちらが良いかは自明だろう。

 頭では分かるが、自分ひとりだけ動いてもね? いいじゃない、一人だけ動いても。 なにしろ、暴落相場で生活者として大事な企業の株を買っておくのだ。 そういった企業なら潰れっこないし、安値で買っておけば、どこかで大きな投資リターンを期待できるのだから。 自分の財産作りは着実に進むはず。

  

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 本を出しました。今回は電子書籍版として、スッと読めるボリュームに抑えました。 さわかみ投信現社長の黒島の本も合せてご紹介します。

 
 澤上篤人「お金をまわして日本を元気にさせよう」
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 黒島光昭「特許物語」
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