日本国債の格付けが引き下げられた。
財政不安に揺れてユーロ危機のひとつの温床とささやかれているスペインより、
日本国債の信用度は低い水準ということになった。
日本経済の実力からすれば、
こんな低い格付けは受け入れ難いといった声が政府筋から聞こえてくる。
大きな考え違いである。
これだけ無為無策のピンボケ政治を20年も続けてもジリ貧程度に収まっている日本経済の地力や、
円高でも利益を上方修正してくる日本製造業の国際競争力に関しては、
日本人よりも世界の方がはるかに高評価している。
評価が下がっているのは、ばら撒き政治で歯止めがかからない国債の大量発行に対してだ。
国内総生産の2倍を超す国債の発行残高は、
先進国でも最悪なのにまだまだ酷くなっていくばかり。
問題の根源は政治の無能さにある。
そこのところを、米国の格付会社から指摘されただけだ。
日本の政治のどうにもならなさに関して、このままでは危険ですよと海外から忠告を受けたところで、
国民の誰一人として違和感を感じないはず。
では、どうする?
単純な財政引き締めでは、何も解決しない。
増加する一途の社会福祉費用などを考慮すると、
数字のつじつま合わせぐらいではとても賄えないだろう。
もちろん、政治家から官僚はじめ税金で食っているあらゆる層の無駄を徹底的に削ぎ落として、
歳出削減を図るのはいつでも歓迎である。
やるべきは、大幅な規制緩和と民営化そして思い切った減税策で、
民間パワーを存分に発揮させて日本経済の成長力を高めることだ。
規制緩和や民営化を徹底的に進めれば、利権や既得権益層の基盤がどんどん崩れていく。
それだけ日本経済の非効率部分がスリム化するし、
財政赤字の巣窟でもある税の無駄喰い層が一掃されていく。
その代わり、思い切った減税で個人や企業など新たな富を創出する人達に、
動けば動くほど得ですよと前向きの行動を促してやる。
大幅減税で個人や企業がどんどん積極的な経済活動を展開していけば、
日本経済は驚くほど元気になるし税収入も加速しながら増加していく。
成長力を高め税収入を増やしながら財政赤字を減らしていくのなら、国民の誰もが賛成のはず。
簡単なことだが、どうして政治家はその決断ができないのだろう。