今日の午後には、新しい自民党総裁が決まるとのこと。 総選挙がない限り、そのまま日本の新首相となる。
総選挙があって、自民党と公明党がよほど議席を減らせば、まったく別の首相もあり得る。
ただ、野党もこれまでの主義主張を聞くに、自民や公明党による連立内閣とさして代わり映えしない。
したがって、かりに野党連立内閣が生まれたとしても、日本を大改革する構想など期待できそうにない。
それは、今回の9人の候補者による総裁選でも、はっきり表れている。
どの候補者も、日本をどう変えていくのかの具体的な政策も、そしてその先の新しい日本の姿に夢をみさせてくれない。
これだけ長期にわたって日本経済や社会が低迷と迷走を続けているのも、本物の政治家がいないからのこと。
90年代に入ってからは、バブル潰しとその結果のデフレ現象に追いまくられて、金融緩和一筋でやってきた。
ゼロ金利にし、資金を大量に供給すればの政策に、こだわり続けて34年も経った。
その間、一度たりとも金融緩和政策の限界についての検証も、見直しもしてこなかった。
まともな政治家なら、34年間なんの効果も表れなかった政策に対し、「では、こうしよう」といった政策提案をして当然である。
たとえば、日本経済にとってゼロ金利政策が、どれほどマイナスだったかの検証だ。
ゼロ金利政策によって、日本の家計は1000兆円を超す預貯金からの利子収入が、ゼロ同然になってしまった。
通常の金利水準なら、30兆円から50兆円ほどの利子収入があって、その大半が消費に向かっているはず。
となれば、それだけでも4%から7%もの日本経済の成長要因となってしまう。(源泉分離課税後)
消費が高まれば、企業の投資意欲は放っておいても高まり、研究開発やイノベーション意欲も生まれる。
つまり、最大の成長戦略になってしまう。 日本のような成熟経済においては、個人消費は無視できない成長要因なのだ。
もちろん、金利が上がれば大量に発生しているゾンビ企業の淘汰につながり、生産性の上がらない雇用が急減する。
ということは、ずっと言われてきた労働力不足も大幅に解消される。
さらには、金利上昇で野放図な国債発行にブレーキがかかるし、バラマキ財政ができなくなる。
金利上昇で、日本の財政運営はすさまじくひっ迫するが、いずれは通らなければならない棘の道である。
しかし、消費が引っ張る経済成長で税収入は高まり、国債発行に依存する度合いは減って、財政健全化につながっていく。
どうだろう、3年後ぐらいからは明るい日本経済や社会の姿が見えてこないか。