今日の日経新聞にもあったが、株式市場ではヘッジファンドなどの短期投資家によるカジノ化が進んでいる。
ヘッジファンドなどは瞬時に買いあるいは売りの方向を変える。 それも、大量の資金を瞬時に動かせるインデックスの先物などを駆使して。
機関投資家の株式運用の60~70%が、また株式投信の90%前後がインデックス運用となっているので、そのままヘッジファンドに同調してしまう。
かくして、株価全般は大きく下げたり、大きく戻したりの荒っぽい値動きとなっていく。
そういったヘッジファンドや投資ファンドは、世界的なカネ余りに乗じて巨額の資金を運用するようになっている。
その運用も、売り買いどちらでも値幅さえ稼げれば構わないでやってくる、無機質なマネーゲーム運用である。
マネーゲーム運用ともなれば、企業の業績動向などファンダメンタルズなどは、都合の良い時だけ利用する程度。
それよりも、短期で値幅が取れそうな売り買いのバランス変化を衝いてマネーを集中投下しようと虎視眈々としている。
そんなカジノ化した株式市場で、個人投資家は一体どうやって資産づくりの投資を展開していけばいいのだろう?
ファイナンシャルプランナー(FP)達は、杓子定規のようにインデックスファンドを買っておけばいいという。
そのインデックスファンドが、ヘッジファンドや投資ファンドなどに翻弄されて暴落したり急反発したりしているのだ。
さあ、どうしたものか? われわれ本格派の長期投資家からすると、株式市場のカジノ化はむしろ歓迎である。
これはと狙いを定めた企業の株価が大きく下げたら買えばいいし、大きく戻したりしてくれたら利益確定の売りを出せばいい。
もちろん、短期の値幅取りにのめり込むわけではない。 いつも、マーケットとはつかす離れずの投資スタンスを守る。
その上で、ヘッジファンドや投資ファンドなどに振り回されることなく、安く買っては高くなるのを待って売るのリズムを守るのだ。
最後に一言。 ヘッジファンドや投資ファンドなども、いまが華である。 そのうち世界的なインフレ圧力と金利上昇が効いてくる。
インフレとそれに伴う金利上昇で、いずれ彼らに流れ込むマネーの量が急減少しはじめる。 次いで、マネーの引き揚げとなっていく。
もうそうなってくると、もうマネーゲームどころではない。 資金の引き揚げに追われて、彼らはみるみる存在感を失っていく。
また、インフレと金利上昇でインデックス運用そのものにも急ブレーキがかかってこよう。