将来のことは、予測などつかないし、希望的あるいは悲観的な観測も混じってくる。
それでも、こと経済に関しては、収まりどころから考えてみると、案外と推測しやすい。
収まりどころから? そう、どんなに驚天動地の波乱があったとしても、人々の生活とそれを支える企業活動はなくならない。
それが経済活動の原点であり、経済の巨大な底流をなしていて、なにがあっても変わることなく続いていく。
それに対し、たとえば現在進行中の金融バブルなど、経済の大きな流れの表層部分にすぎない。
たまたま世界的な金融緩和と大量の資金供給で、株価はじめ金融マーケットは宙を舞っている。
その表層現象をみて、金融所得中心に富の偏在化や多くの人々の低所得化などが騒がれている。
しかしだ、こんな状況がどんどん進めば、多くの人々による消費が落ち込み、経済そのものが失速するだけのこと。
つまり、金融バブルは自壊する。 そして、バブルを踊っていた人達は巨額のツケを払わされることになる。
そのツケは、資産デフレとか金融ひっ迫や信用収縮となって、またまた経済活動の表層部分で大騒ぎとなる。
それでも、経済の底流というか経済活動の太宗は、そう変わることなく日々織りなされていく。
これが経済の本質部分であって、われわれ長期投資家の拠って立っているところでもある。
したがって、本格的な長期投資のスタンスからすると、現在進行中の金融バブルなど一刻も早く崩れ去って構わない。
バブルに踊っていた株価や債券全般は大暴落となろうが、人々の生活をベースとした投資はそう大きな痛手は蒙らない。
さすがに一時はバブル崩壊の荒波に巻き込まれて大きく下がるが、すぐ下げ止まり反発高に入っていく。
それはそうだろう、それほどバブル買いされてきたわけではないから、出てくる売りもそう多くはないのだから。
むしろ、経済の本質部分への見直しが出てきて、逆行高に入っていくケースが多い。
先にも書いたように、バブルが崩壊したら崩壊したで、経済の表層部分は別の大騒ぎとなる。
すごい混乱となろうが、そうなればなるほど経済の本質部分に見直しが入って当然である。
そんなわけで、来る金融バブル崩壊では本格的な長期投資の凄みが、いかんなく発揮されよう。
同時に、人々の長期投資への認識は一気に高まろう。
繰り返すが、経済の本質部分は何があろうと続く。 それと、長期投資とは同義語なのだ。