来る金融バブル崩壊では(続編)

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そもそもの話だが、個々人が自由に富の増殖を求めて活動する経済体制では、景気の変動は避けようがない。

その原点は人間の欲であって、欲の膨れ上がりが経済活動を活発化させ、景気を押し上げていく。

ただ、物事にはなんでも限界があって、景気もどこかで過熱して失速する。 不景気へ突入だ。

不況や不景気が加速していくと、人々は富の減少に危機感を覚え、「自分だけでも、なんとかこの事態を打開したい」と自助の動きを高めていく。

経済の現場で自助の動きが高まるにつれて、景気は下げ止まり、少しずつ上昇の気配を見せはじめる。

景気上昇の気配が出てくるや、人間の欲が鎌首をもたげて、再び上昇のトレンドに入っていく。

これが景気変動サイクルである。 その根っこには人間の欲があって、膨れ上がったりしぼんだりを繰り返す。

ごく自然体で織りなされる景気の自動調節作用こそが、自由主義経済の根幹をなすわけだ。

同時に、不況の効用といって、不適格者をどんどん切り落としてくれることで、経済の健全さを保ってくれる。

それに対し、景気の拡大基調を持続させようと政治など人為が働きすぎると、経済はどんどん脆弱となっていく。

人間の欲には限界がなく、それを人為がやたら後押しすると、景気拡大をこえてバブルとなっていく。

この10年余の世界的なカネあまりと、それが醸成してきた金融バブルが、まさにそうだ。

どんなバブルも永久には続かない。 どこかで破裂して、熱狂的に買い上がってきたものが売り逃げ地獄に曝される。

問題は、ここから。 いつのバブル崩壊でも、欲に踊り狂ったプレーヤーたちの大損だけでは終わらない。

いつも必ず、経済の現場や実社会に大きなしわ寄せを及ぼす。 つまり、超大型の不況へ突入していくことになる。

多くの一般生活者にとっては、えらい迷惑な話である。 とはいえ、経済の現場はズタズタの混乱に陥っている。

そこで、思い起こしたいのは、通常の不況時と同様に、自助の精神で立て直し努力を重ねるということだ。

昨日も書いたように、人々の生活とそれを支える企業活動はどんなことがあっても、なくならない。

そこに焦点をあてて、自助の行動を推し進めていくことが、バブル崩壊の混乱を乗り切っていく方法論となる。

われわれ長期投資家は、バブル崩壊の前も後も実体経済から一歩も離れず、生活者にとって大事な企業を応援していく。

それが一番の方法論である。 時間がたってみれば、見事に実証されていよう。