大学生からの嬉しい質問

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1月9日に、ある国立大学の機械工学部の学生200人ほどに、2時間の講義をした。

講義といっても、後半の1時間弱は質疑応答の時間とし、一緒に考えようとするのを毎年の流儀としている。

せっかくの授業だから、大学生らしく頭をこき使う2時間にしてやれ。 考えろ、とにかく考えろと、学生たちに迫る。

頭の中がパンパンに膨れ上がるほど、徹底的に考えさせてやれ。 そういった授業があってもいい。

とりわけ、日本を代表する国立大の学生たちだ。 暗記力や出された問題の解答という点では抜群だろう。

しかし、あれこれ自由自在に考えては、ニヤリとする地頭の強さという点では、どこまで鍛えられているかは疑問。

昨今は教育の現場のみならず、ビジネスの修羅場においても、自分の頭で考えて行動できる人がめっきり少なくなっている。

情報に対する感度や処理スピードは、たしかに上がっている。 ビッグデータとかAI とかの理解度や対応力で、みなが競っている。

一方、どんな時でも常に物事の本質にせまり、そこから新たなる価値観を組み立てていく地頭の強さでは、そう大したことない。

そこで、今年も学生たちに考えろ考えろと、迫ってやった。 それに煽られてか、ひっきりなしに質問が飛び出てきて、あっという間に授業終了のベルとなった。

3週間がたって、担当の教官から学生たちの質問状が送られてきた。 どれも、結構おもしろい。 学生たちの真剣さが伝わってくる。

それはいいのだが、質問の多くは教えてくれだ。 あれだけ、自分の頭で考えろといってやったのに、まだ聴いてくる。

これから、それらの質問を料理していくわけだが、やはり自分で考えさせる方向で応えてあげよう。

ちょっと手間がかかるが、こちらにとっても考える機会となる。 さあ、片っ端からやっつけてやろう。