この2月はやたら酷いスケジュールになってしまい、まともに長期投資家日記を書けていません。
先週はイタリアへ歌手のオーディションに行っていたし、来週は月曜の夜から21日までハワイ出張。
ハワイといっても、残念ながら遊びではない。 新しい企画の打ち合わせと現地視察だが、すごくおもしろいものになりそう。
さて、先週やってきたオペラ財団の歌手オーディションだが、状況はずいぶん変わってきた。
当初は、オペラの本場イタリアへ乗り込んできてオーディションをやるとは何様だといった猛反発があった。
ただ、次の瞬間に歌手たちが次々と手を挙げてきたのに笑っちゃったし、どんどんやってやろうと意を強くしたものだ。
イタリアのみならず世界中が、いわゆるエージェントに抑え込まれているのがオペラ業界。
どのオペラ公演もエージェントに仕切られており、膨大な金額が彼らの手に落ちる仕組みになっている。
こちらは、エージェント達を食わせるためにオペラをやっているわけではない。 はじめから、連中など抜きだ。
それで、直接イタリアへ乗り込んでいって、歌手やら演出家やらを集めるべくオーディションをやることにしたというわけ。
ともあれ、歌手たちはエージェントに抱え込まれており、仕事が与えられるのを待つばかり。
その点、ウチのオーディションは新しいチャンスであり、ぜひとも歌いたい。 (それでも、エージェントには一定の料率を支払うが)
そんなわけで、はじめは恐る恐る手を挙げてきたものだが、今年は90名を超す歌手が殺到した。
それだけ、ウチのジャパン・オペラ・フェスティヴァルが知名度を上げてきたわけだし、こちらにとっても選り取り見取りとなってきた。
その歌手たちが驚くのは、審査員にレオーネ・マッジェラとか、カバイバンスカといった超一流どころが並んでいることだ。
レオーネはパバロッティを育て上げた先生であり、終生ピアノレッスンをしてあげていた大物。
カバイバンスカは「トスカ」や「蝶々夫人」の主役を400回もやっている、伝説のソプラノ歌手。
二人とも、興行的な成功に流れず芸術性をトコトン追求しようとしているウチの姿勢に大賛成で、快く手伝ってくれる。
絶対に安っぽいものはしないという美意識とこだわりは、どこの世界でも通じるようだ。
本格的な長期投資を掲げて地道にやってきた、ウチのグループの姿勢には絶大な信頼感と安心感を持ってもらえ、なんともありがたいことだ。