10月から書いてきたように、株式市場は荒れ模様そして下げ気味の展開となってきた。
多くの投資家や市場関係者は、この先どうなるのか、下げはどこで止まるのか不安気に見守っているところだろう。
そういった不安気は、「相場を追いかけては、値ざやを稼ぐ」をもって投資とする人たち特有のものである。
日本の投資家のほとんどは、このタイプである。 市場関係者はもちろん、相場があってこその商売で飯を食っている。
機関投資家の大半も、インデックス先物を売買することで日本株投資としており、まさに相場追いかけである。
この人たちにとっては、「相場動向をどう読み、どう行動するか」がすべてである。
相場が上がりそうなら、いち早く買いに入りたい。 下がるのなら、売っておきたい。
皆がみな、そう願う。 実は、それが相場である。 相場なんて買う人が多くなれば上がる。 売りが増えると下がる。
つまり、投資家の行動が相場となっていくわけだ。 そして、投資家の多くは相場を追いかけるをもって投資としている。
まさに、ニワトリと卵の関係で、どっちが先かなんて言いようがない。
そう、下げ気味の株式市場がこの先どうなるかなんて、誰にもわからない。
はっきりしているのは、このままズルズル下がっていくと、買いの意欲はどんどん後退する。 買って儲かる気がしなくなるから当然のこと。
逆に、保有株を売っておこうとする動きが高まる。 高値からは結構下がっているが、さらに下がる不安が講じてくるから、早めに(?)売っておこうとする。
ちょうど1週間後に、ソフトバンクの新規公開がある。 そこで、2兆6000億円の資金調達をするといわれている。
新規公開に応じようとする投資家は、保有株を売るなり預貯金を崩すなりして、買い資金を用意しなければならない。
これも株式市場の売り圧迫要因である。 つまり、買いの地合いをさらに弱くしている。
まあ、こんなところだろう。 そういった相場の現状も、なにかの加減で一変する。
たとえば、来週19日のソフトバンクの新規上場で、売り先行の相場のアクが抜けたとして、ちょっとした買いが入る。
それを見て、多くの投資家が買いに一転するなんて、よくあること。 すると、掉尾の一振だとかいって年末特有の買いが入ってくる。
われわれ長期投資家にとっては、相場動向なんて、どうでもいい。 大きく下げれば、買うだけのことである。
むしろ、荒れ相場は歓迎である。 相場追いかけ型の投資家が売ってくれるから、安く買い仕込める。
大事なのは、なにを買うかである。