日本に寄付文化が根付かないと、しばしば指摘される。 国民の寄付に対する意識は、欧米に比べて大きく遅れをとっている。
寄付は富の再分配の主役を果たすもので、成熟経済となった日本において寄付は最重要課題である。
いつも書いているように、預貯金の一部が寄付にまわるだけで、経済活動は驚くほど活性化する。
それがまわりまわって、国民全体の富の増加につながっていく。 つまり、寄付するとお金が減るどころか、むしろ増えて戻ってくるのだ。
日本に寄付文化が広がらない理由のひとつに、自分の寄付がどれだけ人々のお役に立っているか実感できないというのが挙げられよう。
たとえば、東日本大震災の折には日本中から巨額の支援金が集まった。
被災の酷さや罹災地の人々の悲惨さがテレビなどの映像を通して、全国民に伝わった。
これは酷い、なんとかお手伝いしたいということで、夥しい額の義援金や大勢のボランティアが現地に向かった。
そう、日本にも寄付文化の土壌はあるのだ。 だから、東日本大震災の被害が報道されることで、人々の行動につながった。
ひとつだけ問題があるとすると、多くの人は受け身の姿勢でしか寄付ができないということだ。
自ら自分のお金が役立てられる先を見て知って寄付するという積極性に欠けている。
寄付するのはいいが、見ず知らずのところへ自分の大事なお金を渡すわけにはいかない。 そういって、寄付がなかなかできないでいる人が実に多い。
さわかみグループの公益財団「お金をまわそう基金」では、寄付先をできるだけ多くの人に知ってもらう活動にも力を入れている。
そうか、そんなにもすごい活動をしてくれているのか! 自分にはとてもできないが、寄付でお手伝いさせてもらおう。
そうなってもらえたら最高。 寄付でもって自分のお金が、どうお役に立てられるのを実感できるのは大事なこと。
明日、12月12日19時から、さわかみ投信の2階大会議室で「いろいろな団体の話を聞いてみよう」があります。
お金をまわそう基金の活動報告と今後の取り組の無料セミナーで、支援先の5団体の真剣な話が聞けます。
児童虐待、難病児支援、パラスポーツなどの分野で活動している人たちの生の声を聴いてみませんか?