週末のセミナーで、2日とも同じ質問が出た。 どういう情報を、どうやって集めたら良いのかという質問だ。
世界のマーケットが荒れ模様になってきており、金曜日もNY株式市場が大きく下げた。
そんな背景もあってだろう、ここは的確な情報が欲しいとなるのは投資家としてごく自然の姿である。
とりわけ機関投資家は忙しい。 自分たちの投資判断のためにも、また投資家顧客への説明のためにも、情報収集に躍起である。
ここで考えたいのは、なんのための情報収集かだ。 機関投資家のみならず、個人投資家にとっても、なんのための情報かだ。
たとえば、荒れ模様となってきた世界のマーケット、この先どうなっていくのか? それを読み込みたいからか?
大きく下げたところは買っておくべきか? どこで買ったらよいのか、どんな投資対象を買ったらよいのか? そのための情報か?
この荒れ模様はいつまで続くのか? ここは、しばらく様子を見るべきなのか? その判断のための情報が欲しいのか?
マーケットは下げトレンドに入っていくのか? そうなら、投資ポジションを引き下げておくべきか? その判断を急ぎたいのか?
こんな具合に疑問というか、先行きに対する行動指針としての情報を集めたいと願うのは、投資家の誰もが共有するところだろう。
実は、これらのどれもが相場つまりマーケット動向を読んで行動しようとする投資家にとってのものにすぎない。
上にあげた情報の必要性は、すべて相場あっての投資家にとって死活問題なだけのこと。
その点、われわれ長期投資家に相場動向など、それこそどうでもいい話。 大きく下げれば、買っておくだけのこと。
それよりも、個々の企業の将来可能性を読み込むリサーチに、できるだけ多くのエネルギーを集中させたい。
ずっと応援していきたい企業かどうかを、生活者目線でもって厳しく見守っていきたいもの。
そういった日々の観察から感じ取れるものが、長期投資家にとっては大事な情報である。
ますます応援したくなる企業であれば、なんの心配もなく暴落相場を買いに行けばいい。
逆に、最近ちょっと変わってきたな、大丈夫かなと疑問符がつきだしした企業は、徹底的に見直す必要がある。
それこそ、相場動向をあれこれいっている暇はない。