投資は世のため自分のため

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2013年の9月にPHPパブリッシング社から、「投資は世のため自分のため」を出した。

本当は、「投資は自分のため、そして世のため」とする書名にしたかった。

だが、語呂がどうもすっきりしない。 それで、「投資は世のため自分のため」にした。

後になって考えるに、この語順でよかったんだと、妙に納得している。

先ずは、長期投資で経済的な自立を果たそう。 その上で、世の中に良かれと思う行動をしよう。 そういった順番だった。

しかし、長期投資そのものが「より良い社会をつくっていく方向で、お金に働いてもらう」ことである。

ということは、はじめから「世のため」が前面に出てきているではないか。

より良い世の中をつくっていく方向で、お金に働いてもらう。 その過程で、自分の財産づくりも進んでいくわけだ。

むしろ、この順番の方が投資の質も良くなる。 投資はともすると結果さえ良ければになりがちである。

たとえば、投資対象企業の選定において、「投資収益が上がれば、どんな企業でも構わない」となる。

最近よく話題に上るESG(環境・社会・企業のありよう)も、世界の運用が成績至上主義に走りすぎた反省の面が強い。

運用成績さえ上がれば、どんな企業に投資しても良いで突っ走ってきたが、ちょっとまずいのではないかという反省だ。

その点、最初から世の中に良かれという投資をしておけば、わざわざESGなんて持ち出す必要もない。

さわかみファンドはどんな企業を応援していくのか、投資の内容にずっとこだわっている。

それは取りも直さず、より良い世の中づくりに直結してくる。 やはり、投資は世のため自分のためである。