投資って、ものすごく身近なものなんだよというと、皆きょとんとする。 実は、すべての人が毎日の生活で、気付かないまま投資をしてしまっているのだ。
日々ちょっとした判断で行動するが、それらは必ず先の結果につながっていく。 その判断の良し悪しが、しばしば人生に大きな影響をもたらすことになる。
たとえば、家電製品を買う場合で考えてみようか。 いろいろ調べてこれにしようと決めていた製品があったのに、店頭で強く勧められるがままにふと別のものを買ってしまい、後でその時の判断を悔しがることがままある。
どんなに悔しがろうと、その製品を今後7年とか10年とか使い続けるのだ。 あの時、自分の好みを通せばよかった思っても後の祭り。 実は、これも投資である。
そこで、この1週間の間に是非とも考えてほしいのは、皆さんの多くが預貯金にボケーッと寝かせてあるお金のことだ。 これも、将来に向けての投資をやっているのに変わりはない。
その辺りを見ていこうか。 預貯金に寝かせておくというか、後生大事に抱え込んでいる理由を問えば、皆さんの大半が安心と安全と答えるだろう。
では、どういう意味で安心で安全なのだろう? 1000万円までの預金元本は保証されるという、ペイオフ制度が制定されたのは、銀行も潰れるということが現実になってきたからだ。
では、誰が保証するのか? いざとなったら預金保険機構というところが、銀行からの保険積立て資金を崩して支払いにあてる。 その預金保険機構だが、積立金の資金プールは2兆円ちょっとしかない。
2兆円ちょっとしかない資金プールで、600兆円を超す預金勘定をどうやって保証するのだろうか? それでもまだ安心で安全と思えるかな?
次に、財産防衛という点ではどうか? 長いこと超低金利やゼロ金利が続いているから、利子収入なんてゼロ同然で預貯金資産はほとんど殖えていない。
たまたまデフレが続いたから、現金や預貯金の価値は高いと判断できた。 しかし、このままデフレが続くと財産を云々する前に、日本経済もわれわれの生活基盤も根底から壊れていく。
だから、政府も日銀もデフレ脱却になんでもありの政策を打ち続けているわけだ。 たしかに、いまは日本中がデフレ脱却しか眼中にないかもしれない。
しかし、これだけ大量に指揮をばら撒けば、いずれインフレが襲来するのは歴史が証明するところ。 いつのインフレでも、年金生活者と預貯金者が塗炭の苦しみを味わう。
大事な虎の子といいながら抱え込んでいた預貯金が、大きく目減りした現実に直面して、はじめて長期投資しておけばよかっと思っても遅い。
現時点の判断が将来どこかで、「しまった、間違えた」と後悔するのも、投資の結果なのだ。 この辺りのところ、じっくり考えてみてください。
では、26日に長期投資家日記でお会いしましょう。
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