あれもこれも、投資なんだよ(その1)

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 オペラ公演などで、次回は9月26日(月)まで長期投資家日記を書けません。 ちょうど10日間も空いてしまうので、その間にじっくりと考えてみたいテーマを出します。

 ちょっと長くなるので、今日は特別バージョンとして、(その1)と(その2)という具合に、2部構成で書いてみましょう。

 投資というとすぐギャンブルだとかいって、お金の範囲でしか考えていない人が圧倒的に多い。 その考え方を一度、バッサリと切り捨てみようじゃないか。 

 たとえば、お金の範囲においてでも、ギャンブルなんて投資のほんの一部に過ぎない。 もちろんマーケットには、ただただお金を儲けようで、眼の色を変えて博打に挑む人たちも集まってくる。

 そんな中で勝った負けたを繰り返しているギャンブル人間たちを眺めて、多くの一般人は投資はリスクが大きいから手を出すべきではないといって離れていくわけだ。

 また、マーケットではデイトレーダーやらヘッジファンドやらが派手な話題を振りまくが、彼らも大河の滔々たる流れにおける水面のさざ波でしかない。 彼らがどう暴れまくろうと、大河の流れを止めたり方向を変えたりはできない。

 では、マーケットにおける投資とは? それこそ、大河の滔々たる流れをつくっていくことだ。 水の場合は下方へ下方へと向かい、最終的には海を目指す。

 経済における投資とは、人々の生活をどう豊かにしていくか、どんな社会をつくっていくかといった方向を模索し、その方向に経済活動を導いていく役割を果たすことである。

 どんな豊かさか、どういった社会の方向かでは、人それぞれの見解があるし利害関係も絡んでくる。 しかし、長いめでみていると、世の中は収まるところに収まっていく。

 その収まるところが、しばしばその時の権力による力まかせとなったり,衆愚民主主義の短絡的な利益追求となったりするのは、歴史が幾度となく示している。

 そこで、本当の意味での投資が登場してくる。 より良い社会、よりしっとりした経済成長を実現すべく、その方向へ強い意思と情熱でもってお金をまわしていくのだ。

 これは長期投資の大事な考え方である。 一見、きれいごとを並べているようであり、青臭い理想論に聞こえるかもしれない。 しかし、長いめでは必ず勝つのも長期投資である。

 どうしてかというと、長期投資はこれこれの社会をつくっていくという明確な方向を前面に出しながらも、経済合理性に則った行動に徹するからだ。

 すなわち、こういった企業に頑張ってもらいたいと思う企業の株式が、安く売られている時にはさっさと買っておく。 そして、高くなったら売り上がっていくという行動を、ごく自然体で淡々と繰り返す。

 そういった長期投資家がどんどん増えていけば、経済活動や社会がたどる方向も、われわれが思い描く方へと進んでいくはず。 別に難しいことをやるのではない。

 生活者にとって大事な企業を、とことん応援していく。 その応援を日々の生活での消費と、株価下落時に株主になるという単純作業、そのふたつで実践していくだけのこと。 慣れれば、誰にだってできる。

 日々の生活の中に長期投資が意識されだしたら、またそういった人々が多くなればなるほど、経済も社会も良くなっていく。 投資って、すごく大事なことなんだ。

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