どうせ、オペラやコンサートやるのなら

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 いよいよ、さわかみオペラ財団のオペラやコンサートが1週間後に迫ってきた。 22日と24日のオペラは奈良の平城宮跡の野外でやるから、良い天気を祈るのみ。

 天気さえ頑張ってくれたら、最高のオペラ公演になるのは折り紙つき。 昨年もそうだった。 昼前までの雨が奇跡的に上がり、月さえ出てくれた。

 夜半にくっきり浮かび上がった姫路は白鷺城の天守閣をバックにして、野外オペラ「道化師」が幻想的に繰り広げられた。

 あの感動は、あの日あの場所にいた人だけのもの。 そして、そのままずっと心に残る贅沢なものである。 オペラもお城も天気もみな一緒になって、最高の感動を与えてくれた。

 オペラ財団なんてものをやり始めて、まさしくその面白みにはまってしまった。 どうせやるのなら、世界でも最高のものをやってやろう、そしてその感動をできるだけ多くの人に味わってもらうのだ。

 ただ興行的にオペラやコンサートをやるのではない。 どれだけ感動を味わってもらうか、どれだけ心の贅沢を楽しんでもらうかに、さわかみオペラ財団の存在理由を問うのだ。

 それには、イタリアでの公開オーディションを通して、真に実力のある歌手、演奏家、指揮者、演出家たちを選び出し、彼ら彼女らによって最高の舞台を作り上げてもらう。

 業界の慣習では、そういった選別はエージェントの独壇場であって、先ずはエージェントに話を持っていくところから興行の企画が始まるらしい。

 われわれはエージェントなど無視である。 彼らに余分なお金を払うぐらいなら、その分をより安いチケットにまわした方がよほどいい。

 その心意気で、公開オーディションを昨年イタリアでやったら、びっくりするほどの人たちが応募してきた。 それどころか、オペラの本場イタリアが真剣に乗ってきた。

 あちらでも、興行的な成功すなわちマネーが芸術を振り回している現状に辟易しているのだろう。 より純粋に芸術を追求したいという意識と意欲が、われわれの下に集まってきてくれるのだ。

 これは愉快である。 まったくの新参者であるさわかみオペラ財団の志す方向に、それを良しとする世界のトッププレーヤーたちが次々と参画してくれる。

 もう、それだけでも最高の公演は約束されたようなもの。 しかし、それで終わってはいけない。 オペラ公演やコンサートに来ていただく方々にも、できるだけ大きな期待で盛り上がってもらいたい。

 世界最高レベルの芸術家たちによる素晴らしい演奏と、期待で盛り上がった観客とが醸し出す、鳥肌の立つような感動の一期一会をつくり上げるのだ。

 さわかみオペラ財団の毎年の公演では、とんでもない感動を味わえるという評判が日本中そして世界に広がってくれたら、ニンマリである。

 その評判で、よりすごい芸術家たちとより多くの期待が一堂に会するようになれば、そういった一期一会を創りだすジャパン・オペラ・フェスティバルは世界最高の評価を得ることになる。 どうせなら、そこまでいってしまわないとね。

 先ずはともあれ、22日と24日の奈良でのオペラ、そして26日の浜離宮ホール、28日のサントリーホールで、さわかみオペラ財団が誇る芸術性の高さを堪能してみてください。

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