新聞報道では、投資家がリスク回避で株式市場から資金を引き揚げ、国債など安全資産に向かっているという。
昨日の続きみたいになるが、今日はちょっと角度を変えて考えてみよう。 ずばり、リスクリスクというが、それって一体なんなのだろうかだ。
株価の値下がりを意識してのこと? もちろん、これから株価が奈落の底へ落ちていくのなら、早めに売って損失を最小限にする必要がある。
一般的には、その意識が強く出すぎる傾向がある。 だから、投資家は過剰に警戒して売り急ぎに走るし、先行き不安がマーケットで支配的になる。
大事なのは、ここのところである。 多くの投資家が先行きの下げを警戒して売りに走るということは、将来の下げを先取りしているということである。
これを、株価の先行性という。 つまり、不安視されている悪材料とやらが現実になる前に、株価はそれを前倒しでどんどん織り込んでいくのだ。
そして、その悪材料とやらが噴き出す頃には、株価は売り急ぎ材料の出尽くしで上昇に転じたり、そのずっと前に反転しているケースが多い。
ただし、投資家やマーケットのリスク意識は、いつもリーマンショックと同等ぐらいの強烈な下げを予測する。 そんな棒下げは滅多にないのだが、リスク意識だけはいつもそこまでいってしまう。
これが、過剰な売りを呼んだり、買いがさっぱり入ってこないマーケット状況を現出させることになる。 そこで問われるのが、どっしりとした対応である。
株価なんてものは、売りが多ければ下がるし、売りが出尽くせば上昇に転じる。 奈落の底へ落ちていくという不安心理を、株価は先取りして早めに売り出尽くし状態になるのが一般的である。
その間、企業のビジネス活動はずっと続いているし、株価の値下がりほどに商売が落ち込んだわけでもない。 ということは、すごいバーゲンハンティングの機会なのだ。
そう、メディアやマーケットがリスク回避だとかを騒いでいるときは、それに踊らされないこと。 それどころか株価の先行性を信じて、むしろ買いを意識すべきである。
われわれ長期投資家は、いつの株価下落もそれを恐れるのではなく、果敢に買い増しに動こうぜ。
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