このままなんとかが、一番危ない

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 昨日も書いたが、日本の財政は危険な綱渡りをずっと続けている。 そのうちロープが伸びきってズルッと落っこちてしまうのか、辛うじてバランスを取っていた乗り手が体力を消耗して落下するのかとなろう。

 財政だけではない。 ゼロ金利からマイナス金利に入ってきたが、そこから得られるかもしれないデフレ脱却よりも先に、ジャブジャブにばら撒いているお金が暴れ出す可能性が高まっている。

 お金が暴れ出す? ばら撒かれたお金がどこかに突出して、強烈なバブル現象を引き起こす現象をいう。 これはお金の本性というもので、常に儲けのチャンスをうかがっている。 デフレだとかいって、いつまでも小さく身をかがめているはずがない。

 現に、不動産とか REIT (不動産投信)へ相当に資金が流れ込んでいて、一部にバブル化の雰囲気が漂ってきている。

 バブル現象が広がっていくと、社会は動揺する。 バブル成金をみるにつけ、我も我もとバブルの波に乗ろうとする動きが高まってくる。 80年代後半のバブルとまではいかなくとも、バラ撒いてきた資金量からすると相当大きなものになりかねない。

 やっかいなのは、バブルの波が押し寄せてきても、日銀や政府は金利上昇を抑えるため、国債を買い続け資金をさらにばら撒くと思われることだ。 バブルの火に油を注ぎこみかねない。

 一方、年金の運用は苦しくなっている。 公的年金 (GPIF) の株式運用で昨年度は5兆円の評価損を出したという問題は、株価が戻ればいいだけのこと。

 ところが、国債中心に債券運用はマイナス金利で、これから相当に厳しくなる。 将来の国債値下がり懸念の前に、ここまで債券投資で細々と稼いできた利金収入が、ゼロからマイナスの世界に入って行きかねないのだ。

 年金の運用が厳しくなっていくと、それでなくても国民年金の未加入や積立て不足でガタガタしてきている年金財政が一段と苦しくなる。

  そうなのだ、いろいろな問題が身の回りに迫っていると考えておきたい。 このまま何とかなるのではの、ノー天気で大慌てするよりも、悪いこと言わないから長期投資をしておこう。

 幸い、預貯金は自分の判断でどうにでも動かせる。 早い段階で長期投資に切り替えておいてと、後で良かったと実感したいものだ。

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 ★注意 上記の内容は澤上篤人個人の見解であり、さわかみ投信株式会社の考えおよび「さわかみファンド」の運用を説明しているものではありません。 個人の真意を尊重するため、原則、文章の修正はせずにブログを公開しております。