チャップリンがそのように言っていたが、意味深な言葉である。 人生に愛と勇気が大事なのはわかる。 そこへ Some money ときた。
いくばくかのお金ということだが、食べていくのでギリギリというよりも、ほんの少しばかりお金の余裕を持ちたいという意味合いである。
そこそこの生活ができて、それでもいくばくかの余裕があると、人生は楽しくなる。 その余裕をどう生かすかは本人次第だが、そこにこそ愛と勇気に匹敵する重要さがあると、チャップリンはいいたいのだろう。
生きていくので一杯いっぱいの段階では、「お互い頑張ろう」でいい。 せいぜい、貧しくても清く正しく生きていこうとか、誇りをもって人生を歩んでいこうだ。
しかし、その段階を超えてくると、余裕をどうつかうかが一人ひとりに問われだす。 もちろん自分のお金だ、どうつかおうとまったくの自由。
贅沢をするもよし、趣味や旅行を楽しむのも良しである。 よく高齢者層で余裕しゃくしゃくの老後を楽しんでいる人たちの話を聞くが、いいよなと思えたりもする。
ただ、そこからもう一歩進んで、生まれてきた余裕を世の中へまわさせていただくのも、また楽しからんやである。 余裕の一部でもいい、自分のためだけといった世界から解き放ってやるのだ。
趣味の延長線上ともいえる文化・芸術・スポーツ・技術の方向でお金をつかったり、教育・寄付・ボランティア・ NPO 活動にまわしてもいい。
これらの方向で、お金をどんどんつかうとどうなるか? まず最初に来るのは、財布の中身が減るといったチマチマした利益感情にとらわれなくなっていく自分に驚くことだろう。
このあたりは、趣味を楽しんでいる人ならすぐ理解できよう。 まわりから、「なんでまた、そんなことにお金をじゃんじゃんつかうの」と言われても、「放っておいて、好きだからいいじゃない」と返すだけ。 財布の中身が減っていっても、一向に気にならない。
チマチマした利益感情にとらわれなくなると、「こんなところにも、自分のお金をまわさせてもらえるのだ」という喜びというか満足感が、じんわりと高まってくる。
次に来るのは、自分の周りや社会が少しずつ良くなっていくことを実感できることだ。 経済はより多くお金が使われる方向で拡大発展するもの。
たとえば、上に書いた8つの分野でお金をどんどん使ってやると、そこに雇用が生まれ多くの人々の生活が成り立っていく。 つまり、新たなる産業として経済活動が営まれることになる。
これらの分野の経済活動なら、いくら大きくなっても地球環境の悪化はない。 また、寄付活動に典型だが、貧困の撲滅にも限りなく貢献する。
われわれの住む世界が、どんどん優しくみずみずしくなっていくのだ。 そういった社会に住むのは、自分であり自分の家族である。 小さな利益計算では得られなかった、大きな利益を売ることになるというわけ。
そこで、 Some money の余裕だが、これは意識してでも築いていきたいもの。 もうわかるよね、どんどん長期投資していこうということだ。
われわれと一緒により良い世の中をつくっていく方向でお金をまわさせてもらって、みなに喜ばれた報酬として財産づくりがじわじわと進んでいく。
その余裕を、さらにまた社会にまわさせてもらうのだ。 この循環を高めることで、世の中はどんどん楽しくなっていく。
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