日本経済が世界もうらやむほどの高度成長を続けていた頃、なにが日本経済をそうも成長させたかを思い出してみよう。
国民がお金をつかいまくったからだ。 より豊かな生活を実現しようと、懸命に働いては得た給料やボーナスで家電製品や自動車などを、次から次へと買い揃えていった。
それが、日本経済の拡大発展につながっていったわけだ。 そう、経済活動はいつもお金をつかうところから始まる。 個人消費も企業の投資活動も、その意欲が高ければ高いほど、経済のパイは大きく膨れ上がっていく。
この25年間、日本経済が低迷とじり貧をたどってきたのは、ひとえに国民がお金をつかわなくなったことによる。 もう生活に必要な耐久消費財はすべて手に入れ、せいぜい買い替え需要しかない。
国民の消費が日常の生活費と、耐久財の買い替え需要中心になると、工場は余ってくるし企業の設備投資意欲も大きく減退する。 日本中でお金をつかわなくなってくるから、経済活動はガクーンとスピードを落とす。 それが、この25年間であった。
これは成熟経済の宿命といっていい。 この状態をなんとかしようと、歴代政府は大型の景気対策予算を連発してきたが、ほとんど成果は上がっていない。 ただただ、国の借金が1044兆円へと膨れ上がっただけ。
いくら国が大型予算を投入しても、国民がそれに呼応してお金をつかわなければ、経済の拡大発展につながらない。 経済とは、そういうものである。
どうしたら良いのか? 何にでもいいから、とにかく預貯金を崩してお金をつかいまくることだ。 経済なんてものは、より多くのお金が使われた方向で拡大発展していく。
もはやこれといって新規に買い揃えたいものがないのなら、趣味・文化・芸術・教育・スポーツ・技術・寄付・NPO ・ボランティアなどに、どんどんお金をつかうことだ。
とにかくお金をつかうことで、それが経済活動を活発化させ、新しい産業を生み出すことになる。 おのずから経済成長率も高まり、まわりまわって国民の収入増加につながっていく。
ここは、あえてお金をつかうことだ。 お金をつかうことに不安を感じるのなら、長期投資すればいい。 本格的な長期投資にまわすだけでも、預貯金にボケーッと寝かせておくより、はるかに大きな経済拡大効果が見込まれるのだから。
それでもお金を手放すことが嫌? じーっと動かずにいるのは本人の自由。 そのまま、ユデガエル現象に陥っていくだけのこと。
この辺り、読者の皆さんはよーく理解できているよね。 であるならば、より多くのお金をつかうなり長期投資にまわそう。 それと、できるだけ多くの友人に、上に書いたことを話してもらいたい。
日本経済が元気になれば、みんなにとって良いことなんだから。