日本経済や社会の活性化、先ずはその意欲から

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 アベノミクスにしても今度の地方創生にしても、掛け声と話題だけで尻すぼみとなりかねない。 国民の間では、”上手くいってくれたら、おこぼれも回ってこよう” 程度の受け留め方が一般的だろう。

 どこか他人事のようで白け気味なのは、別に国の政策が稚拙だとかの問題ではなさそうだ。 国民の意識というか意欲が、その程度の低さにあるのが問題なのだろう。

 早い話、なんとか対策で予算を投入して貰えたら儲け、あるいは予算を分捕った方が勝ちといった具合で、税金を食うことしか考えていない人たちが多すぎる。 税金を食うだけだったら、経済は活性化するどころか疲弊するだけである。

 たとえば、地方経済のジリ貧と窮乏化を訴える声が高まっている横で、ストレートに言って申し訳ないがパチンコ店などは繁盛している。 額に汗して働く意欲よりも、パチンコで稼げたらのギャンブル意識の方が旺盛、それでは経済の活性化にはつながらない。

 地方には働きたくても仕事がない? 古今東西の歴史をひも解くまでもなく、仕事がなければ出稼ぎにでも行って、その仕送りで地方に住む家族を食わせるのが普通である。 現に、フィリピンなど東南アジアの国々では海外での出稼ぎ収入が最大の輸出産業となっている。

 ところが、日本ではいつの間にか ”なんとしてでも稼いで食っていく” という人間本来のバイタリティーが薄れてしまった。 生活保護や年金を頼りに、それで不足する分は景気対策などのおこぼれに期待するといった、他力本願的な生き様が多くなっているようだ。

 そういった他力本願では、経済や社会の活性化など望むべくもない。 国の財政負担が増えるばかりとなる。 それが、1039兆円にも膨れ上がった国の借金でもある。

 高齢化の進展もある? 世界最速といわれる高齢化社会を目前にしているからこそ、高齢者層が自助自立の意識を高めて年金や医療財政の健全化に協力すべきなのだ。 そうしないと、年金制度も医療制度もどこかでパンクして元も子もなくなる。

 どうしたら国民の自助意識が高まるのか? わかった人から自助の行動に入っていくことで、動かなかった人たちとの差をつけるのが一番である。 自助の行動を高めた人たちの間で活力ある生き方を享受しだしたら、なにもしなかった人たちは置いてきぼりを食って焦る。 そして、渋々でも動き出す。

 自助の行動の最たるものが、自分も頑張って働くが自分のお金にも働いてもらうことだ。 自分の働きが右足とすると、お金が長期投資で働くのが左足で、両足でしっかりと立って生きていくのだ。

 そのうちにわかる。 異常なまでに膨れ上がった国の財政負担も借金もそう長くは続かない。 どこかでガラガラに崩れ始めよう。 もうそうなったら、他力本願も何もなくなってしまい、自分で生きていくしかなくなる。

 そうなってきた時、本格的な長期投資のありがたみを実感しよう。