毎年の恒例となっている夏枯れ相場は、夏の高校野球が決勝戦を迎え、そして盆の里帰りが終わる頃、つまり今週を境にして一気に収束していくケースが多い。
理由は簡単で、夏休みを取っていた人たちが職場に戻るのと同じように、投資家も市場に復帰してくるからだ。 投資家が戻ってくれば、それだけ市場にも活気が戻る。 それが、夏枯れ相場の終わりを告げることになる。
夏休みに入る前には機関投資家の運用担当者はじめ個人投資家も、休み中に何が起こるかしれないから投資ポジションをできるだけ整理しておこうとする。 いわゆるリスク回避というやつだが、皆が同じ時期に同じような行動をするから、夏枯れ時には株価が大きく下げることが頻繁に発生する。
さて、投資家たちが市場に戻って先ずチェックするのが株価の水準である。 夏枯れ相場で大きく下がってしまった株価をみて、弱気を強める投資家もいるが、安いから買ってみようという投資家も出てくる。
おもしろいのは、夏枯れというぐらいだから市場全般に売りが枯れている。 少し買いが入るだけで、株価は意外と軽やかに上値を追うことになる。 それをみて、遅れてはならじといった買いがどどっと続くこともしばしば発生する。
これが、夏休みの後半によく見られる株価ラリーである。 そのまま秋相場につながっていくこともある。
われわれ長期投資家は、毎年の夏枯れ時を絶好の買い増し局面ととらえている。 これはと狙いをつけている企業の株価が、夏枯れ相場で売りを浴びて、びっくりするような安値を付けることがある。 そこを、ありがとうといって買い増しするわけだ。 そして、夏の終わりからの反発相場をゴキゲンで眺めることになる。
ここまで書いてきてお分かりと思うが、夏枯れも含めて短期的な相場展開など、いちいち気にすることもない。 相場など、売りが多くなれば下がるし、買いが戻れば上がる。 そのような相場変動に一喜一憂する役割は短期投資家に任せておけばいい。
長期投資で大事なのは、相場が上がろうが下がろうが企業のビジネス活動はお構いなしに続いており、そういった企業を応援しようという姿勢を片時も崩さないことだ。 株価は長い目で見れば、企業の業績向上を反映して上がっていくのだから、夏枯れだろうとなんだろうとピクつくことはない。
それはそれとして、来週あたりからの戻りをみるのも楽しみである。