これだけストーンストーンと値を下げてくると、もう長期投資家の本能が騒ぎ出して止まらない。 オイオイ、企業の投資価値がそんなにも失われているのかよ、どうしてそうも株価が下がらなきゃいかんのだ。 まあ売るなら売れ、こっちが全部買ってやるわい。
そういった腹の据わった長期投資家がもっともっと増えてほしいものだ。 景気回復にも経済の健全な発展にも、株価上昇が一番の先行指標となる。 また、心理効果も資産効果も絶大である。 そう、国民のすべてにとって大歓迎の展開を切り開いていくのが長期投資家の役割なのだ。
ところが、日本ではそういった役割を引き受けようとする長期投資家がいなさすぎる。 それどころか、株価を追いかけては値幅取りを狙う、それを投資とする人たちばかり。 だから、日本株市場での株価形成がどうしても薄っぺらで短絡的になってしまう。 それでは、経済の健全な成長発展を阻害するだけだ。
笑えてくるのは、目先の利益を追いかけている投資家たちも、それほど儲かっていない。 彼らは株価上昇をみて飛びつき買いしてくる。 5月の半ばまで、そして先週までの上昇相場に飛び乗ったはいいが、先物をやる連中に売り崩されてしまった。 その結果、短期の儲けどころか評価損を抱えているはず。 あるいは、損切の売りを出しているのかも。
短期指向の投資家は相場を追いかける習性から、なかなか脱皮できない。 というか、先ずは相場ありきの投資家だから、どうしても相場を後追いしがちとなる。 それが故に、いつもいつも安値を買えず、上昇相場を飛び乗っては高値をつかむの繰り返し。 まあ、好きにやってもらおう。
やはり、どうしても長期投資家が増えてほしい。 皆が売るなら、こちらはどんどん買い向かってやる、それで経済の現場に資金を供給してやるわい。 そういった長期投資家が多数いたら、日本経済にとってどれほど良いことか。
もちろん、さわかみファンドに集まってくれてもいい。 長期投資仲間の皆さんの資金をお預かりして、日本経済活性化の先頭に立ってやる、そんな気概にあふれた投信に育ててきたのだから。