先週は、金曜土曜日曜と3連チャンで経営者向けの講演会や投資家向けの勉強会があった。 富山市、金沢市そして福井市をぐるぐると回ったわけだ。 週末は低気圧で大荒れの天気となったが、どこも想定の90%以上の出席をいただいた。
富山市で開催された企業経営者との質疑応答ベースの講演会では、皆さん真剣に質問をぶつけてくれて大いに盛り上がった。 とりわけ良かったのは、政治に頼んでドウのコウのといった次元を大きく超えた話し合いができたこと。
国や政治が動いてくれれば、それはプラスに受取ろう。 その前に、経営者として自助の努力なくして、何も生まれない。 成熟経済における企業経営は、経済の高度発展拡大時代とは大きく違ってくる。 その辺りのところを前々から声を大にしていたので、是非とも話を聞いてみたいということで今回の勉強会と相成った。
最初すこし全体像を話して、残りの時間はすべて質問にあてると言ったら、主催者側から富山の人はシャイだから質問なんて出ませんよと忠告を受けた。 ふたを開けてみれば、あにはからんやで一人ついで一人と質問は途切れることなく続いた。
それだけ、どの経営者もグローバル経済の中で自社はどのような成長を図ったら良いのか、強い問題意識をもって日々の経営にあたっているのだ。 その真剣さが質問ににじみ出ているから、こちらもいろいろな実例を挙げてこんな方向もありますよといった応答に力が入った。
皆さん真剣にメモを取ったりで、予定の2時間はあっという間に過ぎてしまった。 こういった勉強会はこちらにとっても大いに自信となる。 日本中あちこちの経営者が、これだけ真剣に自助の経営を模索しているのだ。 日本の将来は決して暗くないぞという自信が湧き上がってくる。
土曜日曜の2日間、投資家向けのセミナーは株式市場が活気を取り戻してきたのを、そのまま反映していた。 出席者の大半が最近になってようやく元気を取り戻し始めた個人投資家で、みなさんの顔つきはやたら明るい。
とはいえ、ほとんどの人が相場追いかけ型の投資家だから、この先の相場はどうなるかが最大の関心事。 長期的に見て方向は上だから、安いところあらば株式をどんどん買い増ししておこうよといっても、それでは満足できない。 この先これだけ上がるよ、その理由はこうでといった、目先の行動につながる話をどうしても聞きたがる。
あまりに目先張りの質問に会場の雰囲気が流れそうになったら、もう仕方ない。 ”みなさん、去年の11月前半までは青い顔してたじゃない。 投資なんて安く買って高く売るだけのこと。 今頃ガンガンの強気を打っているけど、俺たち長期投資家はもういつでも利食い売りできるよ。 今日皆さんと考えたいのは、もっと腹を据えて買おうぜということなんだ” と、ちょっときつく言うこともしばしば。
それでも、セミナーは活況で次々と質問が出てきて、3会場とも時間オーバーとなってしまった。 高齢の投資家がほとんどだったが、皆さん最後まで熱心に参加していただけた。
ひとつだけ残念だったのは、どの会場にも10名から20名近く若い人たちが来ていて、おそらく初めて投資勉強会に参加された感じ。 この人たちとは、じっくりと本物の投資について話をしたかった。 せっかく投資を始めるのなら、どっしりとした本格的な長期投資のおもしろさに触れてもらいたいものだ。