上伸と波乱の2013年

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 エコノミストでもなければ予想屋でもないので、2013年の予測にエネルギーと時間を使いたくはない。 それよりも、どう行動するかだ。 なにをやって、なにはやめておくだけは、はっきりさせておこう。 投資家にとっては、それが絶対に重要である。

 おそらく、株式市場は右肩上がりの活況となっていくだろうから、株式投資のポジションは思い切り高めておきたい。 ただ、株なら何でも良しではない。 当初は株価の全面高もあり得るが、そのうち引き続き上伸する企業群と、株価が伸び悩んで脱落気味となっていく企業群とに分かれよう。 後述するように、いろいろな問題が突如として噴き出してくるだろうから、投資対象銘柄は厳選したい。

 どんな問題が噴き出てくるのだろうか? 先ず、新内閣が経済や金融全般で積極的なリフレ政策を打ち出すだろうから、景気にプラス面も出てこようが、マイナス面も必ず表面化してくる。

 その中には、国債増発懸念で長期金利が上昇したり、財政赤字の悪化を嫌気した国債売りが、いよいよ現実味を帯びてくる。 これまでは、将来的な不安材料視ぐらいで済まされてきたが、そろそろ顕在化の段階に入っていこう。

 顕在化といっても、一気に国債暴落というよりは、ドドッと売られては小戻しを繰り返すのだろう。 理由は簡単で、デフレ現象はそう簡単に収まらないから、積極財政で湧き上がっては現実に引き戻される綱引きが続かざるを得ない。 それでも、徐々に国債相場の崩れが誰の眼にもはっきりしてくる。 長期金利も上値追いをしはじめる。

 株価も幾度となく売られようが、じわじわと上昇基調を高めていこう。 一番のポイントは、国債相場の頭打ちから崩れが現実化することによって、資金の株式シフトが本格化する点だ。 長いこと見られなかった債券市場から株式使用への資金流入が、来年からは本格化の途につこう。

 もちろん、すぐに株買いがドドッと出てくるのではなく、おっかなびっくりの株式シフトになっていくはず。 なぜならば、国債の値崩れと長期金利の上昇で、国債を大量保有している金融機関が大きく売られる展開が繰り返されるからだ。 そのうち、金利上昇で苦しむ企業群も株価上昇トレンドから脱落していく。

 来年すぐにとはいかないが、経済活動全般も尻上がりに上向いてこよう。 ただし、大量にばら撒かれた資金が暴れ出すオマケ付だから、モノの値段が上がり購買力が低下するインフレ傾向も目立ってくる。 そうなればなるほど、株式投資の資産防衛力が見直されることになる。 もちろん、インフレに乗れる企業の株だけだが。

 ここまで書けば、もうお分かりだろう。 われわれ長期投資家にとっては、いよいよ楽しみな展開となっていく。 それも、来年から始まる長い上昇気流だ。

 今晩8時からは、インべスターズTVの生放送に今年最後の出演。 こちらもしっかりと締めくくりたい。

 

 ブログへのコメントや質問への回答は、毎月第2第4水曜日20時より配信される生放送番組、「インベスターズTV水曜劇場」にてお答えしております。 当ブログでお答えすることはありませんので、ご注意ください。 インベスターズTV水曜劇場は http://www.investors-tv.jp でご覧になれます。

 

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