いつも思うのだが、預貯金は安全という一言で思考停止している人がほとんどである。 かつては、国が銀行は一行たりとも潰させないと言い切っていた。 また、郵便貯金は国営だから潰れる恐れはそもそもない。 だから、預貯金はん安全と信じられて来たわけだ。
いまや、銀行も経営次第では潰れることもありうる。 それで、ペイオフ制度というものが導入された。 一人当たり一行で1千万円までは元本を保証するという仕組みだ。 保証は預金保険機構が担当するが、預金保険機構の資金プールは、ほとんどゼロの状態である。 どうやって、一人当たり1千万円までの保証をするのだろう?
郵貯も民営化の方向にあるが、いまのところはまだ国営である。 それはどうでもいい。 問題は、これだけ借金まみれの国が一体どうやって200兆円の郵貯資産を守るのだろう? 実際に補償するとなると、さらに借金が増えることになるのか、もうこれ以上の借金は無理という状況に陥るのかは、神のみぞ知るところ。 前者だったら、国民の負担が増え、後者だったらインフレの到来だ。
ほんのちょっと考えただけでも、預貯金が安全だなんてまったくの絵に描いた餅だと分かるはず。 ところが、現実は日本経済の1.6倍に当たる金額が預貯金に眠っている。 この天文学的な金額を、一体どこまで国民に安心という思い込みをさせ続けられるのだろうか? ひとつ間違えると、頼みの預貯金がそれこそ張子の虎みたいな、いざといったときにまったく当てにならない財産となりかねない。
本当に財産をしっかり保全しようとするのなら、なにが起こっても現金化できる状態に資産を置いておくこと、そしてインフレなどにも乗れるような運用を心がけることが肝心である。 それでもって、初めて安全といえよう。
その意味で、いまだったら長期の株式投資が一番安心だし、安全と思うのだがね。
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