昨日の続きとなるが、日本経済を元気にするのは簡単なこと。 ちょっと方法を工夫してやれば、いくらでも元気を取り戻せる。 さすがに、長期高度成長期の頃の10%前後の成長は無理でも、4%や5%の成長などいくらでも達成できる。
その前に、基本的なポイントを整理しておこう。 いつの間にか、日本経済の成長力は落ちたというのが、日本中あちこちで常識のように言われている。 その固定観念をちょっと待てよと、疑ってみようじゃないか。
日本経済はバブル華やかりし頃の80年代後半と、ジリ貧に喘ぐ現在と比べて、一体どれほどファンダメンタルズの悪化があったというのだろう? 経済規模こそ中国に抜かれて世界第3位になったとはいえ、日本は世界の GDP の8%から9%を占める堂々たる経済大国であるのに変わりはない。
工業生産力はどの分野でも世界のトップクラスにあるし、1億2600万人の非常に高度な消費水準を擁する国内市場も健在である。 世界最大の債権国の座は長いこと日本の指定席となったままだし、個人の預貯金残高もダントツの世界一である。 また、新興工業パワーとして台頭著しい韓国や中国そして台湾への貿易黒字がずっと続いているように、これだけ超円高が続いても日本の技術はびくともしない。
それなのに、日本経済は世界の成長から置いてきぼりを食らったまま、もう21年が過ぎた。 人口が減りはじめた? 世界最速の高齢化が進んでいる? だったら、それなりに知恵を絞り工夫を凝らせば良いじゃないか。 若年労働力が減っていく方向にあるというのなら、知識や人生経験を生かした経済構造に切り替えていけばいいはず。 そして、あり余っている民間の資金を動かすことだ。
そう、日本経済の活性化にも工夫が足りないのだ。 一番の問題は、国や政策当局に ”経済は生き物である” という感覚が欠如しているところにある。 生き物だから、その気にさえしてやればいくらでも元気に動き出す。 民間の資金も勝手に動き出す。
その気にさせる最たるものは、なんでも自由に出来るということと、やればやっただけ報われるような政策を打ち出すことだ。 具体的には、大幅な規制緩和と民営化、それに驚くほどの減税である。 この二つを実行に移せば、民間は放っておいても動き出す。 それも、自分の資金を投入してどんどん稼ごうとする。 これって、経済の活性化じゃないの?
国の財政状況が大幅な減税を許さない? だから、知恵と工夫が足らんといっているのだ。 富を創出し税の財源となるのは民間企業と個人である。 そこを先ず動かすことからはじめなかったら、経済活性化から財政の健全化まで、ただお題目を並べるだけになってしまう。 まさに、政治と役所のお遊びである。
どちらも税で食っている人達だらか、どうやって税源を創るのかさえわからない。 そんな政治に期待できないのなら、民間だけでも動かなければ、それこそ日本の将来は真っ暗けとなってしまう。 そこは、われわれの長期投資の出番である。
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