日本株の出遅れ

Browse By

 世界の株式市場と比べると、日本株の低調ぶりが際立っている。 ギリシヤだスペインだと、これだけマスコミに大騒ぎされているのに、欧州株でさえもじりじりっと下値を切り上げてきている。 ほとんどの市場ではリーマンショック前の水準まで株価を戻しているというのに、日本株市場だけは低迷したままなのだ。

 どうしてこうもダラシナイかといえば、ひとえに ”まともな買い主体がいない” に尽きる。 別に積極的に買わなくても良いが、日本の投資家は機関投資家を含め、ほんのちょっぴりの買いも出せないのだ。

 通常であれば、海外市場高に乗って外国人投資家がチョコチョコと買って来て、日本株も上昇追いを見せるところ。 ところが、この円高では彼らもさすがに日本株買いを躊躇してしまう。 ほんのすこし円安に振れただけでも、大幅な為替差損を蒙ってしまうのだから。

 逆いうと、どこかで円安局面が見られると、外国人投資家の猛烈な日本株買いが殺到するのは間違いない。 なにしろ、日本株が世界で一番出遅れているというのが、彼らの一致した見解なんだから。

 国内の投資家は動かないのか? ダメだね。 日本のほとんどの投資家は相場追いかけ型だから、誰かが先に買って株価上昇が見えてこない限り、自分からさっさと買い始めることはない。 頼みの外国人投資家が円高でさっぱり買ってこない。 そうなると、国内からの買いは絶対にといって良いほど出てこない。 これが、日本株低調の背景である。

 どうしたら良いのか? これまで ”財産づくりといっては、大切な虎の子を預貯金に寝かせたままにしてきた” 個人や家計が少しずつでも長期投資に踏み込んできてもらうしかない。 といっても、人生このかた投資なんてやったことがない人たちに、ここで株を買おうよと働きかけたところで、彼らがおいそれと行動に移れるとは考えられない。

 株価がしっかりとした上昇基調を見せてくれていれば、投資はじめての人たちもちょっと長期投資を試してみようかとなる。 ところが、現実は低調な株価動向ばかりが眼前にある。 こちらも、鶏に卵の状態なのだ。 どちらが先でも構わないから、とにかく動いてくれよといいたいところだ。

 そうはいっても、やはり預貯金マネーを長期投資に誘うことは、日本株市場のみならず日本経済の活性化にも最優先課題である。 また、個人や家計にとってもまともな財産づくりと年金不安対応のためにも、ここで長期投資を始めることは、やはり不可欠である。

 まあ、一人でも多くの人たちに根気よく本格的な長期投資を奨めていくしかないのだろう。 さあ、今日も頑張るか。

 

 【広告】

 本の紹介です。電子書籍版で、スッと読めるボリュームに抑えています。 さわかみ投信現社長の黒島の本も合せてご紹介します。ちなみに、黒島の本は紙媒体も用意しております。

 澤上篤人「お金をまわして日本を元気にさせよう」
 http://itunes.apple.com/jp/app/id475297966?ls=1&mt=8

 黒島光昭「特許物語」
 http://itunes.apple.com/jp/app/id459089234?ls=1&mt=8

 http://scps.shop28.makeshop.jp/shopdetail/002000000001/