ユーロ諸国が債務の借り換えに苦しんでいる。 イタリアなどで国債の発行金利が7%前後となっており、7%もの金利コスト支払うとなると財政再建に支障をきたすと懸念される。 状況は他の国々も似たり寄ったりのところがある。 それで、ユーロ危機と騒いでいるのだ。
債務借り換えのために発行する国債の金利条件が厳しいというのは、それだけ財政再建の見通しに楽観できないと市場が判断してのこと。 ヨーロッパ中央銀行はじめ各国が力を合わせて借り換え債の消化を促進させようとしているが、それはそのままユーロ圏全体の債務負担増加につながってしまう。 それで、ユーロが売られているわけだ。
放漫財政の後始末にはそれなりのコストがかかる。 これは、家計でも企業経営でも同じこと。 高い支払いコストがギリシヤやイタリアの金利上昇となって、ユーロ圏に襲い掛かってきている。 ユーロ全体の問題としてなんとか乗り切ろうとしているが、それなりのコストはどうしても覚悟せざるを得ない。
そういったコストが、ユーロ圏の金融不安や経済のもたつきの長期化になって現れるのかもしれない。 あるいは、金利上昇から金融機関が経営破たんに陥ったり、インフレにつながって人々の生活を脅かすのかもしれない。 ユーロ圏がどういった政策で乗り切っていくのかは、静かに見守るしかないが大きなコストがかかるのは仕方ないだろう。
遠いヨーロッパの問題と思うなかれ。 日本の借金度合いはギリシヤやイタリアの比ではない。 バブル崩壊後21年にわたって、まともな成長戦略もないまま、やたらと予算をばら撒いてきたから、そのつけが回ってきたときはユーロ危機どころの混乱では済まない。 国全体が苦しむのはのは眼に見えている。
その時、長期投資は絶大なる役割を果たすのだろう。 いまユーロ諸国は重苦しい状況下にあるが、多くのヨーロッパ企業は世界経済の成長を視野にグローバル経営を積極化させている。 ユーロ危機は世界経済全体から見れば、ちょっと大きめではあるが所詮ローカルな問題にすぎない。 グローバル企業の経営戦略に大きな支障とはならない。
同様のことが、日本のグローバル企業にもいえよう。 いま長期視野でこれはと思う企業の株を買っておくことが、どれほどの安心と将来可能性につながるか、じっくり考えてみてください。
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