新しい展開か?

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 ヨーロッパで動きが出てきた。 フランス系ベルギーの大手金融機関デクシアの解体が決まった。 対ギリシヤなどの不良債権を切り離してバッドバンクとし、国の管理下でじっくり不良債権処理にあたる。 一方、健全な部門は資本増強して引き続き業務にあたるという。

 こうしてやれば、ギリシヤ問題などが悪化しても銀行倒産そして信用機能麻痺といった事態は避けられる。

 デクシアの例がモデルとなって、経営基盤の弱い金融機関を再生するのと同時に、経営基盤のしっかりしている大手銀行などは自力で資本増強するといった展開が加速してくれれば、ヨーロッパ問題は一気に解消に向かう。

 その延長線上では、ギリシヤ問題など金融バブルがらみの不良債権と欧州の銀行の経営不安懸念とが切り離されることで、政治判断の自由度が高まることになる。 たとえば、ギリシヤがデフォルトに陥っても、それはそれとして処理されやすくなる。

 同様のことは、米国でもいえる。 強欲に走った投資銀行はいまや銀行としてFRBの管理下にあるし、銀行業務全般が一定の行動基準というたがをはめられようとしている。 それに合わせて資本増強が進めば、一歩間違えると信用不安にといった懸念なしにサブプライム問題などの処理が進むと期待される。

 これらの処理は本来は民間業者の自己責任で行われるものであるが、ことが金融という信用問題なので政府や中央銀行が大きく関与せざるを得ないとされてきた。 しかし、デクシアのように切り離し処理が進めば、信用不安の懸念は薄れていく。 それとともに経済活動全般に重くのしかかってきた漠たる不安心理も薄らいでいくのではなかろうか。

 そうなってくれると、やたら売られてきた株価の見直し買いがどどっと出てくるのだろう。

 

 明日夜はインベスターズTV生放送。 http://www.investors-tv.jp/live/ で視聴できるので、ぜひどうぞ。