日本には、国内総生産の1.6倍にも上る個人の預貯金マネーがある。
そこから生み出される富(利子収入)は年0.02%ほどでしかない。
もったいないという言葉が世界でも通じるようになっているが、
その日本語そのままを平気な顔して放置しているのが、この国である。
個人の預貯金マネーのたとえば10%だけでも,
経済の現場に流れ込むように仕向けてやれば、日本経済はどうなるか。
まずは、76兆円の資金が預貯金から引き出されるマイナス分を考慮しなければならないが、
銀行の預貸率が74%にまで下がっている現実から、企業融資が圧迫される心配はない。
むしろ、銀行にとって集まりすぎの預金を減らせるメリットもある。
懸念されるとすれば、
76兆円の預貯金マネー流出で一部に保有国債を売却する動きが出てくることだろう。
それは、長期金利の上昇をもたらし、
国の国債利払い負担を拡大させてしまったり、借入金の多い企業の経営にしわ寄せが来たりする。
しかし、これだけ大量に国債を発行してきているのだから、
いずれ時間の問題で長期金利の上昇は覚悟せざるを得ない。
それが早まるだけで、むしろ経済の健全化を促進させる起爆剤となる。
一方、プラス効果は絶大である。 なにしろ、76兆円もの個人マネーが消費や投資にまわるのだ。
国内総生産の16%近い資金が日本経済の現場に新規投入されるのだから、
とんでもなく巨大な景気刺激効果が期待できる。
そうなれば当然のことながら、金利水準も上がり始めるから、
預貯金の残り90%分に対する利子収入も増加する。
景気は良くなり利子収入も増えるのだから、家計にとって文句はない話となる。
そもそも、これだけ巨額の預貯金マネーが年0.02%の利子に甘んじていることが異常なのだ。
その異常さをちょっと是正することで日本経済はいくらでも元気になれる。
さて、問題はどうやって預貯金マネーを動かすのかだ。
本来なら政治の役割だが、どうも期待できそうにない。
となれば、われわれ長期投資家が頑張るしかない。
どんどん長期投資を進めていって、その成果が世のモデルとなうことで、
多くの個人や家計に対し長期投資の良さを発信できるはず。
今晩は、恒例のインベスターズTV生放送です。
http://www.investors-tv.jp/live/
でご覧になれますので、どうぞ。